「デボラがライバル」のストーリー
光明大学のアメフト・チーム、アルバトロスのキャプテン・五十嵐に一目惚れした高校生の朝代は、半年後、親友のしずかとともに光明大学に合格し、早速、チアリーディング部に入部した。親を口説き落としてひとり暮らしを始めた朝代は、隣室にアメフト部の選手が出入りしていることを知って胸躍らせる。しかし、実はそこにはアルバトロスの花形クォーターバックで、デボラと名乗るオカマでもある市松が住んでいた。デボラの見かけや言動とは違った優しい内面に触れていくうち、朝代は彼と自由に部屋を行き来する仲になる。ある日、朝代の五十嵐に対する気持ちに気づいたデボラの後押しのおかげで、朝代は五十嵐とつきあうことになった。ところが、朝代はふとしたことでデボラが五十嵐を愛していることを知って彼に同情心を見せ、ふたりの友情に亀裂が入ってしまう。さらに朝代は、前の恋人・千秋のことを忘れられないでいる五十嵐にふられてしまった。そんな折、突然デボラが姿を消し、彼の居所をつかんだ朝代と五十嵐は、高原のゲイコミューンを訪れる。デボラはそこでドラッグクイーンとしてショーに出演していたのだ。呼び戻そうとする五十嵐にデボラは愛を告白するが、それは受け入れられなかった。関東大学対抗アメフト・リーグの大会当日、デボラを欠いたアルバトロスは朝代の懸命の応援も及ばず、前年の覇者・若葉大学イーグルスを相手に苦戦を強いられる。ところが、残り6秒となり、1トライで逆転という場面にデボラが現れた。デボラのロングパスが決まり、奇跡の逆転優勝を果たしたかに見えたが、五十嵐のタッチダウンはもう少しのところで届かず、アルバトロスは敗れてしまう。しかし、デボラは以前の元気を取り戻し、朝代とふたりで仲良くキャンパスライフを謳歌した。