解説
フランソワ・オゾン監督が、ドイツの鬼才ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの『ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972)』を現代風にアレンジ。アパルトマンの一室を舞台に、若く美しい青年に翻弄される映画監督の愛のドラマを風刺やユーモアを交えて描き出す。出演は「悪なき殺人」のドゥニ・メノーシェ、「カミーユ・クローデル」のイザベル・アジャーニ、ファスビンダーのミューズでオリジナル版にも出演したハンナ・シグラ。
この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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米文学・文化研究冨塚亮平当該作のリメイクというよりは、ファスビンダーのキャリア全体を踏まえつつ性別や職業をオゾンの当事者性に引きつけた改作といった趣。鏡を活用して画面が演劇的になること... もっと見る
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日本未公開映画上映・配給団体Gucchi's Free School主宰降矢聡見るからに上手くいきそうにない有名な映画監督と若い俳優のカップルが、誰もが予想するような破綻の迎え方をする。映画監督も俳優も圧倒的にどうしようもない感じが、まさ... もっと見る
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文筆業八幡橙目に、耳に、毒々しくも鮮やかで美しく、時に滑稽にして物悲しい、これはもうオゾンにしか描けない、オゾンだけの「苦い涙」だ。ファスビンダー版との比較や旧作の講釈を脇... もっと見る
「苦い涙」のストーリー
助手のカール(ステファン・クレポン)をしもべのように扱いながら、事務所も兼ねたアパルトマンで暮らす著名な映画監督ピーター・フォン・カント(ドゥニ・メノーシェ)。恋人と別れて激しく落ち込んでいたある日、3年ぶりに親友で大女優のシドニー(イザベル・アジャーニ)がアミール(ハリル・ガルビア)という青年を連れてやって来る。艶やかな美しさのアミールに、一目で恋に落ちるピーター。彼はアミールに才能を見出し、自分のアパルトマンに住まわせ、彼が映画の世界で活躍できるように手助けをするのだが……。
「苦い涙」の映像
「苦い涙」の写真
「苦い涙」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「苦い涙」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ラブロマンス ドラマ |
製作国 | フランス |
製作年 | 2022 |
公開年月日 | 2023年6月2日 |
上映時間 | 85分 |
製作会社 | FOZ=France 2 Cinema |
配給 | セテラ・インターナショナル |
レイティング | PG-12 |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
音量 | 5.1ch |
公式サイト | http://www.cetera.co.jp/nigainamida/ |
コピーライト | (C)2022 FOZ – France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION (C)Carole BETHUEL_Foz |
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