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「しから始まるもの」の検索結果
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浜田省吾の35年前のライブを記録した「A PLACE IN THE SUN at 渚園 Summer of 1988」が、5月5日(金・祝)より期間限定で全国公開。ポスタービジュアルと予告編が到着した。 1988年8月20日、静岡県浜名湖畔「渚園」で行われた浜田省吾にとって3度目の野外ライブであり、5万5千人を動員した『A PLACE IN THE SUN』。その膨大なオリジナルネガフィルムに4Kデジタルリマスターと5.1chサラウンドミックスを施し、高臨場感を実現したのが本作だ。 Ward Sexton氏の「BACK TO 1988!」の掛け声とともに名曲『明日なき世代』でライブは始まり、『路地裏の少年』『MONEY』『J.BOY』『僕と彼女と週末に』『ラストダンス』などが披露されていく。 なお公開を記念し、『A PLACE IN THE SUN』で販売されたスポーツタオルを復刻。ムビチケカードとセットで、Road&Sky Group ON-LINE STOREで数量限定販売される。スポーツタオルを握りながら、35年前へのタイムスリップ気分と感動に浸りたい。 浜田省吾「A PLACE IN THE SUN at渚園 Summer of 1988」 監督:板屋宏幸 企画製作:Road & Sky 配給:ライブ・ビューイング・ジャパン 宣伝:とこしえ 協力:Sony Music Labels Inc. 2023年/日本/カラー/ビスタ/5.1ch/110分 ©2023 Road & Sky HP:https://www.sh-nagisaen1988.jp/ Twitter:sh_nagisaen1988 facebook:shnagisaen1988
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チェ・ミンシク主演、脱北した天才数学者と劣等生の交流劇「不思議の国の数学者」
2023年2月22日「シュリ」「オールド・ボーイ」「新しき世界」の名優チェ・ミンシク主演で、脱北した天才数学者と挫折寸前の劣等生との交流を描いた「不思議の国の数学者」が、4月28日(金)よりシネマート新宿ほかで全国公開。予告編と場面写真が到着した。 現実に失望しかけた主人公ふたりが、数学を通して人生を見つめ直していく姿を描く本作。数学者ハクソン役で3年ぶりの映画出演を果たしたチェ・ミンシクは、「シュリ」以来22年ぶりに北朝鮮の方言を使いこなしたことも話題に。対する劣等生ジウ役には、250倍の競争を勝ち抜いて抜擢されたキム・ドンフィ。さらにベテランのパク・ビョンウンとパク・ヘジュン、新進気鋭のチョ・ユンソが共演する。 予告編は、エリート高校に通うジウが、夜間警備員のハクソンと出会うシーンから開始。数学を諦めかけたジウにハクソンは解法を教え、ふたりに絆が芽生える。しかしハクソンが実は脱北した天才数学者で、数学の未解決問題の1つであるリーマン予想を解いたということが広まり、彼は渦中の人物に。そしてジウの身にもトラブルが起き始める……。 円周率から着想され、数学の美しさを物語る「π(パイ)ソング」のピアノ演奏も聴き逃せない。“人生にとっての正解”を探していく感動物語に期待したい。 Story 学問と思想の自由を求めて脱北した天才数学者ハクソンは、正体を隠し、上位1%の英才が集まる名門私立高校の夜間警備員を務めている。不愛想で学生に避けられている彼はある日、劣等生のジウに苦手な数学を教えてほしいとせがまれる。正解だけをよしとする世の中でさまよっていたジウに問題を解く「過程」の大切さを教える中で、ハクソンは予期せぬ人生の転換点を迎えることに……。 「不思議の国の数学者」 監督:パク・ドンフン 出演:チェ・ミンシク、キム・ドンフィ、パク・ビョンウン、パク・ヘジュン、チョ・ユンソ 2022年/韓国/117分/シネマスコープ/DCP5.1ch/日本語字幕:朴澤蓉子/原題:이상한 나라의 수학자/英題:IN OUR PRIME © 2022 showbox and JOYRABBIT INC. ALL RIGHTS RESERVED. 配給:クロックワークス klockworx-asia.com/fushigi/ -
「アマンダと僕」の俊英ミカエル・アースがシャルロット・ゲンズブールを主演に迎え、80年代パリに暮らすある家族の7年を描いた「午前4時にパリの夜は明ける」が、4月21日(金)よりシネスイッチ銀座、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほかで全国順次公開。本予告と追加場面写真が到着した。 物憂げに煙草を吸うエリザベート(シャルロット・ゲンズブール)。ヴァンダ(エマニュエル・ベアール)がパーソナリティーを務める深夜ラジオが部屋に流れる。夫が家を出て途方に暮れるエリザベートは、ティーンエイジャーの子供たちとの会話もぎこちない。 新たにラジオの仕事を見つけた彼女は、そこで出会った家出少女のタルラ(ノエ・アビタ)を家に招き入れる。夫との関係を整理しきれずに「惨めよね」と涙を見せるエリザベートに「そんなことない」と優しく返すタルラ。映画館に忍び込むマチアス(キト・レイヨン=リシュテル)とジュディット(メーガン・ノータム)とタルラ。4人は共に暮らす中で歩み寄り、支え合うように。 ある日、エリザベートとマチアスが帰宅すると、マンションの前に倒れ込むタルラの姿があった。「ごめんなさい」と謝るタルラを「自分を大事にしなきゃ」と抱き寄せるエリザベート。タルラに何があったのか、抱えた思いとは──。 フランソワ・ミッテラン当選に沸く人々など「1980年代パリ」のアーカイブ映像、映画作品の引用、そして眠れぬ夜を過ごす人々を繋ぐ「深夜ラジオ」とともに紡がれる珠玉の物語。公開が待ち遠しい。 © 2021 NORD-OUEST FILMS – ARTE FRANCE CINÉMA 配給:ビターズ・エンド ▶︎ シャルロット・ゲンズブール主演 × ミカエル・アース監督。80年代パリの家族物語「The Passengers of the Night」
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死ぬ間際の白鳥は最も美しい声で歌う…。そんな伝承から転じて、芸術家たちが人生の最後に残す最高のパフォーマンスを意味する「スワンソング」。その言葉をタイトルにした本作は、人生の終盤を迎えたゲイのヘアメイクドレッサーが亡き親友の死化粧を施すために懐かしの街へと向かうロードムービーだ。(2月22日Blu-ray&DVDリリース) 主演を務めるのは、ドイツ出身でハリウッド映画でも活躍する世界的名優ウド・キアー。アンディ・ウォーホール製作の「悪魔はらわた」と「処女の生血」にはじまって、「サスペリア」、「マイ・プライベート・アイダオ」や、鬼才ラース・フォン・トリアー作品の常連としてもお馴染み。近年では「アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲」でのヒトラー役でぶっ飛んだ演技でインパクトを残している。現在78歳、様々なジャンルの作品に出演し、名優・怪優ぶりを誇って来た。そんなウド・キアーの約半世紀に及ぶ俳優人生で数少ない主演作。老境に入った彼だからこその作品を楽しんでみたい。 老人ホームでくすぶるジジイは、伝説のヘアメイクドレッサーだった!? 主人公のパトリック(ウド・キアー)は引退したゲイのヘアメイクドレッサー。かつては「ミスター・パット」と呼ばれて大勢の顧客を抱え、彼のサロンは街でも大人気だった。だが、最愛のパートナーをずいぶん前に失い、今は老人ホームでひっそりと暮らす日々。日課は食堂の紙ナプキンを自室に持ち帰って、丁寧に折り畳むこと。あとは隠れタバコをしては職員に叱られることぐらいだった。 そんなある日、街一番の大金持ちで、顧客でもあったリタ(リンダ・エヴァンス)の弁護士から依頼が入る。リタが「死化粧はパットに頼んで欲しい」という遺言状を残していたのだった。報酬2万5000ドル。生前のリタと揉め、わだかまりのあるパットは「ぶざまな髪で葬れば」と断るが、結局、老人ホームを抜け出して街に向かっていく…。 人生最後を飾るお仕事を仕上げるために東奔西走 街はずれにある老人ホームから中心地までは長い道のりなのだが、パットの足取りは軽やかで楽し気だ。当初、グレーのスウェット姿で頑固で厄介そうな老人にしか見えなかったパットだが、街に戻り、リタの死化粧のための道具を調達しようと右往左往するなか、次第に何やらカワイイおじさんと化していく。行く先々で出会った老若男女誰とでも馴染み、もらったピンクの帽子を茶目っ気たっぷりにかぶったかと思えば、洋服屋からはとっておきの緑のスーツをプレゼントされ、それを粋に着こなしたパットはゴージャスだった現役時代を彷彿とさせるまでになる。 仕事への情熱や自信が蘇る一方で、かつての思い出をたどるパットは最愛のパートナーとの屋敷が取り壊され、土地は彼の親族のものなっていたという辛い現実に直面し、また街が様変わりしていることに寂しさも感じる。リタへの複雑な思いから引き受けると言いながらも、なかなか決心が付かない。一体、何がパットを傷つけたのか。 さまざまな思いが錯綜する中で、ゲイとして生きてきたパットが人生の最後をどう決断するか。孤独で自分には誰もいないと思っていたパットが、閉店決定のゲイバーでドラァグクイーンとして魅せるパフォーマンスからのヘアメイクドレッサーとしての最後の仕事ぶりは感動ものであり、ユーモアにもあふれたラストは見ものだ。 主人公のモデルは実在の人物 主人公のパットは、実在の人物をモデルにしており、パトリック・ピッツェンバーガーがその人。監督トッド・スティーブンスの故郷、米・オハイオ州サンダスキーで活躍していた人気ヘアメイクドレッサーで、1984年、監督が地元のゲイクラブで、フェザーボアを首に巻き、フェルトのつば広帽をかぶった“ミスター・パット”のきらびやかな姿に衝撃を受けたという。 その時の様子を「まるでボブ・フォッシーの世界から抜け出したような動きで踊っている。17歳の私にとって、パットは神だった」とコメントしている。そんな憧れのパットを題材に、ゲイである自分自身も投影した本作は、監督にとって渾身の作。またエイズが蔓延した1990年代から現在に至るゲイカルチャーを真摯にとらえ、ゲイカップルの時代的な背景なども細やかかつリアルに描き、LGBTQ+の秀作として、世界各国の映画祭で話題を集めた。 ウド・キアーの存在感、心情とシンクロした選曲も聞き逃しなく 魅力はなんといっても、主演のウド・キアー。冒頭、老人ホームでのシーンではもはや人生を諦め、スタッフの前ではその他大勢のホームの老人たちと同じく、あの世からお迎えを待っているようにか弱き老人を装いながら、実はお気に入りのタバコは注意されても辞めない。頑固で偏屈な爺さん。だが、老人ホームを抜け出してからは一転、自由奔放でチャーミングでエレガントなパットを演じ、最後の最後まで一挙手一投足から目が離せない、唯一無二の存在感には圧倒されるばかりだ。パットに人生最後の思わぬ仕事を依頼するリタを、ドラマ『ダイナスティ』のリンダ・エヴァンス、パットの元弟子で今や大出世したディー・ディーには「プロミシング・ヤング・ウーマン」のジェニファー・クーリッジ、リタの孫を人気TVシリーズ『アグリー・ベティ』のマイケル・ユーリーが演じている。 そして、注目するところでは選曲がジュディ・ガーランドやシャーリー・バッシー、ダスティ・スプリングフィールドなどの名曲が使われ、その歌詞がストーリーやパットの心情とシンクロする。観終わった後も心地よい感動に包まれる。 文=前田かおり 制作=キネマ旬報社 https://www.youtube.com/watch?v=CYUHpQ0_prQ 「スワンソング」 ●2月22日(水)Blu-ray&DVDリリース ▶Blu-ray&DVDの詳細情報はこちら ●Blu-ray:5,280円(税込) DVD:4,290円(税込) 【映像特典】 ・オリジナル予告 ●2021年/アメリカ/本編105分 ●出演:ウド・キアー、ジェニファー・クーリッジ、リンダ・エヴァンス ●監督・脚本:トッド・スティーブンス ●音楽:クリス・スティーブンス ●ヘアメイク:リディア・カネ ●発売元:カルチュア・パブリッシャーズ 販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング © 2021 Swan Song Film LLC
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ニコラス・ケイジがオレゴンの山林で孤独に食らすトリュフ・ハンターを演じる「PIG/ピッグ」は彼の近年の出演作から想像しにくい本格的な文芸・哲学的ドラマだ。なんと元アメリカ大統領バラク・オバマが2021年のお気に入り映画の1本に選んだといういわく付きの話題作が2月22日にBlu-ray&DVDでリリースされる。その見どころは―― 残酷ホラー映画? でも、どこかが違う。 鬱蒼とした森林の奥にひっそり建つ粗末な小屋にニコラス・ケイジ演じるロブは住む。頭髪と髭は伸び放題、表情が乏しく不潔な身なりの不気味な巨漢だ。彼の唯一の相棒は野性味あふれる豚。豚は奇跡的な嗅覚で地中に埋もれた天然トリュフを探し出す。 孤独で寡黙な大男というロブの異様なキャラに、ホラー映画ファンはすぐさま「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスや「13日の金曜日」シリーズのジェイソンを連想するだろう。さて、ロブはどんな凶器で惨殺するか。豚は人間を襲うのか、それとも死体を貪るのか。昨今のケイジ主演作を見ている方なら、導入部を眺めながらそう期待せずにいられない。近年、彼の映画はB級ホラー、カルト系作品ばかりだったからだ。 天然トリュフを探しだす豚は金の卵だ。なぜなら収穫したトリュフを都市部の高級レストランが高値で買い付けるから。ロブは若いバイヤーのアミールとだけ取引しているが、ある日突然、若いギャングに襲撃され、相棒の豚を誘拐される。怒りのロブは顔の生傷も拭おうとせず、血まみれでひとり山を降り都会へ向かう。 おお、まさにブルータル・ホラーの導入部。これで手斧やナタを振り回してオシャレな都会人を皆殺しならいつものケイジのB級ホラーだ。 だが今回は違う。 なにしろオバマ元大統領も推薦する映画なのだ。 「毎朝、自分が消えかける」、ニコラス・ケイジの改悛 アミールの車に同乗し、街にやってきたロブが探すのは自分の過去だ。豚の行方を追い求め彷徨ううち、ロブの正体が徐々に判明する。そして彼が過去と決別した理由もじわじわあぶり出される。自分の力量を認められない不安。本気の勝負ができない小心。結果への悔恨。映画の中盤でロブ、いや、演じるニコラス・ケイジは自分に言い聞かせるよう「毎朝起きると、自分が消えかける」とつぶやく。まるで近年の自身の主演映画の出来栄えと重ね合わせているようだ。 追い打ちをかけるように、アミールの車のラジオからは終始、クラシック音楽についての高尚な批評が流れる。永遠に廃れないものは何か、芸術の本質は何か。そのさりげない演出のアクセントはニコラス・ケイジの祖父、作曲家カーマイン・コッポラの説教を聞いているようでもある。そこからこの映画が、実はニコラス・ケイジの内省の旅を描いたのではと思えてくる。実際にケイジが「この作品では自分がむき出しになっており、フィルムを見ることが本当に難しい」と語ったとの報道もある。 映画を見るうち、「豚」はロブの自己欺瞞や虚栄が実体化したものだとが分かる。それがなくても自分でいられたのに、彼は豚を飼い山にこもった。そこで育んだのは惨めで自閉的な虚りの自分でしかなかった。俳優ニコラス・ケイジもこの役を演じることで、自分自身を顧みたのではないか。それは彼の俳優人生の新たな転換点になった。 この20年間、(ラジー賞は別として)まったく映画賞と無縁だった彼は、本作の演技で第27回アメリカ放送映画批評家賞の主演男優賞にノミネートされた。 虚空を見つめ思う。本当の自分が表現したかったのは? 監督のマイケル・サルノスキはイエール大学を卒業後、短編映画やテレビドラマの演出を撮り、本作で長編映画デビューした。静謐な画面構成、深い人間洞察は彼の才能と文学的センスを充分に感じさせる。低予算で完成させた本作は数多くの映画祭で評価され、新人監督賞やオリジナル脚本賞に輝いた。次回作として“音を出したら殺される”ホラーシリーズ「クワイエット・プレイス」の3作目に抜擢され、2024年の公開をめざして撮影が進められている。さて新人監督が挑む本格ホラーの恐怖度はいかに。 映画の結末に流れるのはブルース・スプリングスティーンの曲「アイム・オン・ファイア」のカヴァー・ヴァージョンだ。欲望の炎に灼かれ、自身を傷つける男の歌にあわせ、虚空を見つめるケイジの姿がクレジットタイトルへフェードアウトする。この歌が全米でヒットしたのは1985年。ニコラス・ケイジの才能がまさに爆発した時期だ。84年「バーディ」、86年「ペギー・スーの結婚」、87年「赤ちゃん泥棒」「月の輝く夜に」。そうそうたる傑作の連続だった。その俺が、なぜ今ここにいるのか。そんな内省をケイジは無言で表現する。 ウェルメイドな翻訳短編小説のように、本作は見る者の多くに主人公と同じ自己発見を促し、魂を突き刺す。バラク・オバマもだからこそ心打たれたのだろう。 あなたは、どう感じるだろうか。 文=藤木TDC 制作=キネマ旬報社 https://www.youtube.com/watch?v=9fsWxQ5_wD0&t=48s 「PIG/ピッグ」 ●2月22日(水)Blu-ray&DVDリリース ▶Blu-ray&DVDの詳細情報はこちら ●Blu-ray:5,280円(税込) DVD:4,290円(税込) 【映像特典】 ・予告 ●2022年/アメリカ/本編91分 ●出演:ニコラス・ケイジ(吹替:大塚明夫)、アレックス・ウルフ(吹替:平野潤也)、アダム・アーキン(吹替:平林剛) ●監督・脚本:マイケル・サルノスキ/脚本:ヴァネッサ・ブロック ●発売元:カルチュア・パブリッシャーズ 販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング 2020 Copyright © AI Film Entertainment, LLC