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リム・カーワイ監督のバルカン半島3部作の完結編「すべて、至るところにある」
2023年10月23日国境と言葉を超えて映画を作り続ける “旅する映画監督(cinema drifter)” リム・カーワイが、「どこでもない、ここしかない」(18)「いつか、どこかで」(19)に続くバルカン半島3部作の完結編として、ミス・マカオのアデラ・ソーと国際的に活躍する尚玄の共演で描いたラブサスペンスロードムービー「すべて、至るところにある」が、2024年1月27日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかで全国順次公開される。 また、エストニアの第27回タリン・ブラックナイト映画祭コンペティション部門でワールドプレミア上映されることも決定。同部門への出品は、監督にとって前作「あなたの微笑み」に続き2年連続となる。このたびティザービジュアルと特報映像が到着した。 マカオ出身のエヴァは、旅先のバルカン半島で映画監督のジェイと出会う。その後、パンデミックと戦争が世界を覆う中で、ジェイはエヴァへメッセージを残して姿を消す。エヴァはジェイを探しに再びバルカン半島を訪れ、かつてエヴァが出演した映画が「いつか、どこかに」というタイトルで完成していたことを知る。セルビア、北マケドニア、ボスニアを巡る中で、エヴァはジェイの過去と秘密を知ることに──。 バルカン半島3部作の前2作が、劇中でジェイの監督作として登場。旧ユーゴスラビアの巨大建造物(スポメニック)など美しい景色とともに、現実と虚構を行き来しながら物語は進む。人間の孤独と希望を映し出した、シリーズの集大成というべき作品だ。 〈コメント〉 リム・カーワイ監督 昨年、映画『あなたの微笑み』がタリン・ブラックナイト映画祭で上映され大盛況となりました。そして再び映画『すべて、至るところにある』が、同映画祭でワールドプレミア上映されることを誇りに思います。国内では、2024年1月27日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて公開できることになりました。 バルカン半島三部作の完結編となる本作は、前作同様に最小限のメンバーで制作されました。私と主演の尚玄とアデラ・ソー、そして撮影と録音のスタッフ、合計5人が車一台に乗りこみ、バルカン半島のセルビア、ボスニア、北マケドニアを撮影しながらまわりました。彼らの素晴らしいチームワークなしでは完成させることができませんでした。この場を借りて最大限の敬意と感謝を表します。 そしてこのパンデミックと戦争の時代を生き抜いた我々に捧げる、サイパーパンクテイストなラブサスペンスのロードムービーをぜひ多くの方にご覧頂きたいです。 アデラ・ソー/エヴァ役 映画『すべて、至るところにある』が、北欧最大のタリン・ブラックナイト映画祭で上映されることが決まり、本当にうれしいです!映画祭でのワールドプレミア上映、そして日本での劇場公開を通して、たくさんの観客の方々と出会えることを期待しています。より多くの方々にこの映画に関心を持って頂けるように願っています。 この映画の撮影自体が、映画のストーリーと同じようにファンタジックでアメージングでした!人と人の巡り合い、そして淡々とした日常の中にある貴重さを噛みしめてほしいです。 尚玄/ジェイ役 こんな場所で映画が撮れたらと、旅の途中で夢想することはあっても、実際行動に移す人は稀でしょう。それをライフワークとしているのがシネマドリフターの異名を持つ監督 リム・カーワイです。 今作の舞台はコロナ禍のバルカン半島。一台の車に乗り込み、行き当たりばったりに撮影をしながら縦断しました。案の定、台本は用意されておらず一抹の不安もありましたが、役者として瞬発力を試される刺激的な日々でした。 美しい自然と旧ユーゴ時代の遺産。そして未だ街角や人々の心に残る戦争の傷跡。僕らのひと夏の旅がエストニア、そして日本の観客の皆さまにどのように感じてもらえるのか楽しみです。 ※「すべて、至るところにある」公開を記念し、12月17日(日)に東京外国語大学アゴラ・グローバル プロメテウス・ホールで〈バルカン半島映画特集〉を開催。「いつか、どこかで」「どこでもない、ここしかない」を上映する。リム・カーワイ監督とアデラ・ソーも登壇。 「すべて、至るところにある」 出演:アデラ・ソー(蘇嘉慧)、尚玄 監督・プロデューサー・脚本・編集:リム・カーワイ 撮影:ヴラダン・イリチュコヴィッチ 録音・サウンドデザイン:ボリス・スーラン 音楽:石川潤 英題:Everything, Everywhere 宣伝デザイン:阿部宏史 配給:Cinema Drifters 宣伝:大福 2023/日本/カラー/DCP/5.1ch/88分 ©cinemadrifters -
「東京自転車節」の⻘柳拓監督新作。障害福祉サービス事業所の人々を見つめた「フジヤマコットントン」
2023年10月21日甲府盆地のど真ん中にある障害福祉サービス事業所〈みらいファーム〉。そこで働く人々を見つめたドキュメンタリー「フジヤマコットントン」が、2024年初春にポレポレ東中野ほかで全国順次公開される。 監督は、コロナ禍の東京を自転車配達員の視点で描いた「東京自転車節」の⻘柳拓。母の職場であり幼い頃から通っていた〈みらいファーム〉に着目し、相模原障害者施設殺傷事件の加害者による「障害者は生きている価値がない」という言葉へのアンサーとして制作した。 ラジオ体操をして、仕事をして、お昼休憩を挟み、また仕事をする。花を世話する、絵を描く、布を織る。その手つきから、《その人らしさ》が見えてくる。また、友情や恋心を抱き、喪失から回復し、季節が移ろうように人々は少しずつ変わる──。〈みらいファーム〉を見守る富士山と、柔らかく包み込む綿という二つのモチーフから生まれた、カメラに映るすべてを優しく力強く肯定するヒューマン・ドキュメンタリーだ。 ⻘柳拓監督コメント 「次回作は?」という問いに、すぐに頭に浮かんだのが母の職場である「みらいファーム」のことでした。古くから知っている大好きな人たちのことを思いながら、相模原障害者施設殺傷事件のことも考えていました。加害者の植松聖さんの「障害者は生きている価値がない」という言葉を、僕は僕の友人たち、つまり「みらいファーム」の人たちに向けられているように感じていたのです。そもそも「生きている価値がない」人間って本当にいるんでしょうか?僕は「いるかもしれない」と思いました。前作『東京自転車節』で僕が観たのは嘘と欺瞞にまみれた世界でした。そこで僕自身、孤独感や絶望感を味わい、「どうにでもなれ」という破滅衝動に苛まれました。僕は「自分には価値がない」と考えたことが確かにあったのです。人間の価値とは何か。なぜ事件は起きたのか。考えながら撮影に挑んだけれど、でも、それは撮影を引き受けてくれた「みらいファーム」の人たちに失礼な態度でした。僕は人の価値を「ある/なし」の土俵に乗せない。目の前にいる人たちの魅力を、出演してくれた一人ひとりの日常の中にある「良い!」をみつめたい!それが『フジヤマコットントン』であり、僕のアンサーです。 「フジヤマコットントン」 監督・撮影:⻘柳拓 撮影:山野目光政、野村真衣菜 編集:辻井潔 音楽:みどり(森ゆに、⻘木隼人、田辺玄) 整音:渡辺丈彦 構成・プロデューサー:大澤一生 製作:水口屋フィルム、ノンデライコ 宣伝:リガード 配給:ノンデライコ 文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業) 国立行政法人日本芸術文化振興会 2023/カラー/95分/日本/ドキュメンタリー ©nondelaico/mizuguchiya film 公式サイト:http://fujiyama-cottonton.com/ -
ケリー・ライカートが描く、ドーナツが育む友情とアメリカンドリームの行方「ファースト・カウ」
2023年10月20日現代アメリカ映画の最重要作家ケリー・ライカートが、アメリカンドリームを夢見る男たちの友情物語を描き、第70回ベルリン国際映画祭をはじめ世界中の賞レースで157部門ノミネート・27部門受賞を果たした「ファースト・カウ」が、12月22日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほかで全国公開。場面写真が到着した。 西部開拓時代。アメリカンドリームを夢見てオレゴン州の未開地にやってきた料理人のクッキーと中国人移民のキング・ルーは、意気投合してある大胆な計画を思いつく。それは、この地に初めてやってきた “富の象徴” である牛からミルクを盗み、ドーナツで一攫千金を狙うという、甘い甘いビジネスだった──。 原作は、ケリー・ライカート作品の脚本を多数手掛けてきたジョナサン・レイモンドの小説『The Half-Life』。「私には決して真似のできないものであって、とてつもなく、うらやましい」と言うポン・ジュノをはじめ、ジム・ジャームッシュ、トッド・ヘインズ、濱口竜介ら名だたる監督が本作を称賛し、本国ではA24が配給した。ケリー・ライカートの新たなマスターピースに注目だ。 「ファースト・カウ」 監督・脚本:ケリー・ライカート 脚本:ジョナサン・レイモンド 出演:ジョン・マガロ、オリオン・リー、トビー・ジョーンズ 配給:東京テアトル、ロングライド ©︎ 2019 A24 DISTRIBUTION. LLC. ALL RIGHTS RESERVED. -
ジェシー・アイゼンバーグ初監督、すれ違い親子の行方は?「僕らの世界が交わるまで」
2023年10月19日「ソーシャル・ネットワーク」のジェシー・アイゼンバーグがAudible(Amazonのオーディオブック)向けに作ったラジオドラマを、自ら初監督を務めて映画化。すれ違う親子のドラマを描き、第75回カンヌ国際映画祭批評家週間オープニング作品に選出された「僕らの世界が交わるまで」が、2024年1月19日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかで全国公開される。ポスタービジュアルが到着した。 DV被害者のためのシェルターを運営するエヴリンと、弾き語りのライブ配信で人気を博す高校生の息子ジギー。分かり合えない二人だったが、どちらも自分とは異なるタイプの人物に出会い、迷走していく。失敗を経て変化した、互いへの思いとは? 製作したのは「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーンがデイヴ・マッカリーと共同設立したフルート・ツリーと、「ムーンライト」「ミッドサマー」のA24。 エヴリンを演じるのは「アリスのままで」のジュリアン・ムーア、ジギー役には『ストレンジャーシングス 未知の世界』のフィン・ウォルフハード。さらに、ジギーが恋する聡明なライラ役で『13の理由』のアリーシャ・ボー、エヴリンが世話にのめり込むカイル役でビリー・ブリックが出演する。 世代および理想と現実のギャップに直面した親子が、思い悩みながら行き着く先を見届けたい。 「僕らの世界が交わるまで」 監督・脚本:ジェシー・アイゼンバーグ 製作:エマ・ストーン、デイヴ・マッカリー、アリ・ハーティング 出演:ジュリアン・ムーア、フィン・ウォルフハード、アリーシャ・ボー、ジェイ・O・サンダース、ビリー・ブリック、エレオノール・ヘンドリックス 北米配給・製作:A24 提供:カルチュア・エンタテインメント 配給:カルチュア・パブリッシャーズ 2022年/アメリカ/カラー/ビスタ/ドラマ/英語/88分/字幕翻訳:松浦美奈/原題:When You Finish Saving The World/映倫:G © 2022 SAVING THE WORLD LLC. All Rights Reserved. 公式サイト:culture-pub.jp/bokuranosekai/ -
映画と美食の街として名高いスペインのサン・セバスチャン。そこで開催される国際映画祭を舞台に、ウディ・アレンが映画愛たっぷりに綴ったロマンティック・コメディ「Rifkin's Festival」(原題)が、2024年1月19日(金)より新宿ピカデリーほかで全国公開される。場面写真と海外版予告編が到着した。 ニューヨークの大学で映画学の教授を務める、売れない作家のモート・リフキン。有名なフランス人監督フィリップの広報を担当する妻のスーに同行し、サン・セバスチャン映画祭にやってきた。その理由は、いつも楽しげなフィリップとスーの浮気を疑っているから。 モートが街をふらついていると突如、フェデリコ・フェリーニ監督「8 1/2」の世界が目の前に現れる。さらに夢の中では、オーソン・ウェルズ監督「市民ケーン」やジャン=リュック・ゴダール監督「勝手にしやがれ」に自分が出演していたりと、不思議な体験をする。そんな中、浮気を疑うストレスで心気症になったモートは、美しい医師のジョーに出会い……。 ウディ・アレンの分身と言えるモート・リフキンを演じたのは、「マンハッタン」で映画デビューし、「ラジオ・デイズ」「ウディ・アレンの影と霧」「スコルピオンの恋まじない」「メリンダとメリンダ」など多くのアレン作品に出演してきたウォーレス・ショーン。妻のスー役は「バウンド」「フェイス/オフ」のジーナ・ガーション、医師のジョー役は「私が、生きる肌」「ワンダーウーマン」のエレナ・アナヤ、映画監督フィリップ役は「グッバイ・ゴダール!」「オフィサー・アンド・スパイ」「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」のルイ・ガレルが務める。撮影監督は「カフェ・ソサエティ」「女と男の観覧車」「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」に続きアレンと4度目のタッグとなる83歳の巨匠ヴィットリオ・ストラーロだ。 映画は第68回サン・セバスチャン国際映画祭でプレミア上映された。アレンらしいビタースイートな物語に期待したい。 「Rifkin's Festival」(原題) 監督・脚本:ウディ・アレン 撮影監督:ヴィットリオ・ストラーロ 出演:ウォーレス・ショーン、ジーナ・ガーション、ルイ・ガレル、エレナ・アナヤ、セルジ・ロペス、クリストフ・ヴァルツ 提供:ロングライド、松竹 配給:ロングライド © 2020 Mediaproducción S.L.U., Gravier Productions, Inc. & Wildside S.r.L. longride.jp/rifkin/