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戸田奈津子の関連作品 / Related Work
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恋愛小説家
制作年: 1997潔癖家で毒舌の変人小説家が、なじみのウェイトレスや隣人との交流を通して人並みの愛を知るまでを描いたラヴ・ロマンス。主演のジャック・ニコルソン(「ブラッド&ワイン」など)、ヘレン・ハント(「ツイスター」)がそれぞれ97年度(第70回)アカデミー賞で最優秀主演男優賞・同女優賞を受賞したことでも話題に。監督は「愛と追憶の日々」でニコルソンと組んだ「ブロードキャスト・ニュース」のジェームズ・L・ブルックス。脚本は「レイト・フォー・ディナー」のマーク・アンドラスの原案を基に、アンドラスとブルックスが執筆。製作はブルックスと、「ザ・エージェント」のブリジット・ジョンソン、「ブロード~」「スリーパーズ」のクリスティン・ズィー。製作総指揮は「ザ・エージェント」のリチャード・サカイとローレンス・マーク、「靴をなくした天使」のローラ・ズィスキン。撮影は「ボディ・バンク」のジョン・ベイリー。音楽は「草の上の月」のハンス・ズィマー。美術のビル・プルゼスキ(「マチルダ」)、編集のリチャード・マークス(「愛と追憶の日々」)、衣裳のモリー・マギニス(「ジキル&ハイド」)は「ブロードキャスト・ニュース」でもブルックスと組んだスタッフ。共演は「ザ・エージェント」のキューバ・グッディング・Jr.、「TOUCH タッチ」のスキート・ウールリッチ、「渇いた太陽」のシャーリー・ナイトほか。特別出演で監督のハロルド・ライミス、ローレンス・カスダンが顔を見せる。60点 -
エイリアン4
制作年: 1997凶悪な寄生生命体と人間との死闘を描くSFホラーのシリーズ第4作。監督は「ロスト・チルドレン」のジャン=ピエール・ジュネ。製作は「エイリアン3」のゴードン・キャロルとデイヴィッド・ガイラー、監督としても有名で本シリーズ全作のプロデューサーであるウォルター・ヒル、「ブロークン・アロー」のビル・バダラード。脚本は「トイ・ストーリー」のジョス・ウェドン。撮影は「セブン」のダリウス・コンジ。音楽は「ダンテズ・ピーク」のジョン・C・フリゼール。美術は「ジャッジ・ドレッド」のナイジェル・フェルプス。編集は「タンゴ・レッスン」のハーヴ・スナイド。衣裳は「バットマン・フォーエヴァー」のボブ・リングウッド。エイリアン関係は共同でクリーチャー・エフェクト、特殊メイクなどを手掛ける「スターシップ・トゥルーパーズ」のアレック・ギリスとトム・ウッドラフ・Jr.が、視覚効果スーパーヴァイザーをジュネの前二作に参加したピトフと「パワーレンジャー」のエリック・ヘンリーがそれぞれ担当。主演は「スノー・ホワイト」のシガーニー・ウィーヴァー。共演は「クルーシブル」のウィノナ・ライダー、「ロスト・チルドレン」のドミニク・ピノン、「クロノス」のロン・パールマン、「マイ・ルーム」のダン・ヘダヤほか。未公開映像などを収録した「エイリアン4 完全版」はDVDに収録されている。74点 -
ウワサの真相 ワグ・ザ・ドッグ
制作年: 1997大統領のスキャンダルを隠すための奇想天外な情報操作が巻き起こす騒動を描いた諷刺コメディ。監督は「スフィア」のバリー・レヴィンソン。製作はジェーン・ローゼンサル、レヴィンソンと主演のロバート・デ・ニーロ。製作総指揮は「ロング・キス・グッドナイト」のマイケル・デ・ルーカ、「D.N.A.」のクレア・ルドニック・ポルステイン、「コップランド」のエズラ・スワードロウ。ラリー・バインハートの『American Hero』を基に、脚本は「蜘蛛女」のヒラリー・ヘンキンと劇作家としても有名な「ホッファ」のデイヴィッド・マメットが執筆。撮影は「ニクソン」のロバート・リチャードソン。音楽は「ブルックリン最終出口」のマーク・ノップラー(元ダイアー・ストレイツ、劇中歌も)。美術は「マーズ・アタック!」のウィン・トーマス。衣裳は「ファーザーズ・デイ」のリタ・ライアック。編集は「スフィア」のステュー・リンダー。主演は「スリーパーズ」で共演したダスティン・ホフマンとデ・ニーロ。共演は「ボルケーノ」のアン・ヘッシュ、「キングピン」のウッディ・ハレルソン、「エアフォース・ワン」のウィリアム・H・メイシー、「ジュマンジ」のキルステン・ダンストほか。60点 -
ウェルカム・トゥ・サラエボ
制作年: 1997戦火のサラエボで葛藤する英国人ジャーナリストの姿を描いたドラマ。監督は「バタフライ・キス」「日蔭のふたり」のマイケル・ウィンターボトム。海外特派員のマイケル・ニコルソンが実際の体験を基に執筆したノンフィクションを基に、脚本は「バタフライ・キス」でウィンターボトムと組んだフランク・コトレル・ボイスが執筆。製作は「グリッドロック」のグラハム・ブロードベントとダミアン・ジョーンズ。撮影のダフ・ホブソン、美術のマーク・ジェラハディ(「ナッシング・パーソナル」)はウィンターボトムが手掛けたテレビ・シリーズ『ファミリー』にも参加。編集のトレヴァー・ウェイト、衣裳のジャンティ・イェイツは「日蔭のふたり」に続く参加。音楽はウォーターボーイズの一員でもあるエイドリアン・ジョンストン。出演は英国の舞台・テレビで活躍するスティーヴン・ディレーン(「ハムレット」)、「ラリー・フリント」のウディ・ハレルソン、「ミルドレッド」のマリサ・トメイ、「エンジェル・アット・マイ・テーブル」「シャロウ・グレイブ」のケリー・フォックス、「リバー・ランズ・スルー・イット」のエミリー・ロイド、オーディションで選ばれた子役のエミラ・ヌシェヴィッチほか。 -
グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
制作年: 1997心を閉ざした天才青年が、似た境遇の心理学者との交流を通じて成長していく姿を、繊細なタッチで綴ったヒューマン・ドラマ。自身もハーヴァード大学中退というエリートでもある「戦火の勇気」のマット・デイモン(70年生)と、彼とベン・アフレック(「青春の輝き」で共演)のふたりの新進俳優の共作によるオリジナル脚本を、デイモン自身の主演、アフレックの助演、「誘う女」のガス・ヴァン・サントの監督で映画化。製作は「パルプ・フィクション」のローレンス・ベンダー。製作総指揮は「シーズ・ソー・ラヴリー」のボブとハーヴェイのワインスタイン兄弟に、ジョナサン・ゴードン、スー・アームストロングの共同。撮影はレオス・カラックス作品でも知られる「ザ・クロウ」のジャン=イヴ・エスコフィエ。音楽は「マーズ・アタック!」のダニー・エルフマンがスコアを担当し、音楽監修にはジェフリー・キンボールがあたった。美術はミッシィ・スチュワート。編集はピエトロ・スカリア。衣裳はベアトリス・アルーナ。共演は「ジャック」のロビン・ウィリアムス、「スリーパーズ」のミニー・ドライヴァー、「アミスタッド」のステラン・スカルスゲールドほか。97度年ゴールデングローブ賞脚本賞受賞、アカデミーオリジナル脚本賞賞、助演男優賞(ウィリアムス)受賞。98年キネマ旬報ベスト・テン第7位60点 -
アナスタシア
制作年: 199720世紀初頭、帝政ロシア最後の皇帝の末裔アナスタシアの冒険を描いたアニメーション大作。監督・製作はディズニー出身で「リトルフットの大冒険 謎の恐竜大陸」のドン・ブルースとゲーリー・ゴールドマンのコンビ。製作総指揮は「トイ・ストーリー」に参加したモーリーン・ドンリー。脚本はスーザン・ゴーシエ、ブルース・グラハム、「ノートルダムの鐘」のボブ・ズディカーとノニ・ホワイト、アニメーション脚色はエリック・タックマン。オリジナル・スコアは「ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合」のデイヴィッド・ニューマンが手掛け、劇中の歌は作詞をリン・アハーンズ、作曲をスティーヴン・フラハーティ。声の出演は「恋におぼれて」のメグ・ライアン、「真夜中のサバナ」のジョン・キューザック、「バードケージ」のハンク・アザリア、「美女と野獣」の名優アンジェラ・ランズベリー、「アダムス・ファミリー」のクリストファー・ロイドほか。90点 -
クンドゥン
制作年: 1997チベットの指導者第13世ダライ・ラマ(1935~)の成長期に焦点をあて、彼が国外亡命に至るまでの苦悩の日々を、イメージ豊かで思索に満ちた映像と音楽で綴った一大叙事詩。監督は「最後の誘惑」「カジノ」の名匠マーティン・スコセッシで、彼の監督第18作。脚本は俳優ハリソン・フォードの夫人としても知られる「E.T.」のメリッサ・マシスン。製作・共同製作は「キング・オブ・コメディ」(83)以来スコセッシと組むバーバラ・デ・フィーナ。製作総指揮はローラ・ファットリ。撮影は「ビッグ・リボウスキ」のロジャー・ディーキンズ。音楽は米国を代表する現代音楽家で「トゥルーマン・ショー」など映画音楽も手掛ける、フィリップ・グラス。編集のセルマ・スクーンメイカー、美術・衣裳のダンテ・フェレッティは「カジノ」に続く参加。出演は成人したダライ・ラマに扮するテンジン・トゥタブ・ツァロンをはじめ、全員がインド・カナダ・米国などに居住する演技未経験者および演劇学校の生徒たち。80点 -
ライアーライアー(1997)
制作年: 1997突然ウソがつけなくなってしまった、やり手の弁護士の悪戦苦闘ぶりを描いたコメディ。「ケーブルガイ」のコメディアン、ジム・キャリーが出世作「エース・ベンチュラ」のトム・シャドヤック監督と3年ぶりに組み、得意の顔面演技や形態模写、オーバーアクトを披露して笑いを誘う。脚本は『リトル・ラスカルズ』(V)のポール・ガイとスティーヴン・マザールのコンビ。製作は「身代金」のブライアン・グレイザー、製作総指揮は「ナッティ・プロフェッサー/クランプ教授の場合」のジェームズ・D・ブルベイカー、マイケル・ボスティック。撮影は「ティン・カップ」のラッセル・ボイド、音楽は「サドン・デス」のジョン・デブニー、美術はリンダ・デシーナ、編集はドン・ジマーマン、衣裳はジュディ・L・ラスキン。共演は「真実の行方」のモーラ・ティアニー、「裏切」のジェニファー・ティリー、「ツイスター」のケイリー・エルウェス、「白蛇伝説」のアマンダ・ドノホー、「リアリティ・バイツ」のスージー・カーツ、TVドラマ『ER/緊急治療室』の子役で映画初出演のジャスティン・クーパーほか。80点 -
ポストマン(1997)
制作年: 1997荒廃した近未来のアメリカを舞台に、人々に希望をもたらす郵便配達人(ポストマン)の姿を描いたアクション・ロマン大作。監督・主演は「ウォーターワールド」「ティン・カップ」のケヴィン・コスナーで、「ダンス・ウィズ・ウルブズ」に次ぐ7年ぶりの監督第2作。脚本はデイヴィッド・ブリンの同名小説(邦訳・ハヤカワ文庫)を基に、エリック・ロスと「ライアー」のブライアン・ヘルゲランドの共同。製作はコスナーと彼のパートナーのジム・ウィルソン、「ロング・キス・グッドナイト」のスティーヴ・ティッシュ。撮影は「モアイの謎」のスティーヴ・ウィンダン。音楽は「ファーザーズ・デイ」のジェームズ・ニュートン・ハワード。美術は「ワイアット・アープ」のアイダ・ランダム。編集は「ウォーターワールド」のピーター・ボイル。共演は「追いつめられて」でコスナーと共演した「コピーキャット」のウィル・パットン、英国の舞台女優で本作がデビューとなるオリヴィア・ウィリアムス、「ラブ・ジョーンズ」のラレンツ・テイト、「スネーク・アイズ」「パンサー」のジェームズ・ルッソのほか、ロック・ミュージシャンのトム・ペティが特別出演。70点 -
G.I.ジェーン
制作年: 1997性差別が根強く残る米海軍の女性将校が、超過酷なエリート偵察部隊訓練に挑戦して仲間との性差を越えた信頼を築くまでを描いたドラマ。「素顔のままで」のデミ・ムーアが前作のストリッパー役から一転、丸坊主でスタントなしの体当たり演技で主演を張った。監督は「白い嵐」のリドリー・スコット。脚本は作家・脚本家のダニエル・アレキサンドラの原案を基に、彼女と「逃亡者」「アライバル 侵略者」(監督も)のデイヴィッド・トゥーイの共同で執筆。製作はデミと「愛に気づけば」のロジャー・バーンバウム、スザンヌ・トッド、製作総指揮は作家・脚本家のダニエル・アレキサンドラ、ジュリー・バーグマン・センダー、クリス・ザーパスの共同。撮影はCM時代からスコットと親交がある「白い嵐」のヒュー・ジョンソン、音楽は「ロザンナのために」のトレヴァー・ジョーンズ、美術は「セブン」のアーサー・マックス、編集は「魅せられて」のピエトロ・スカリア、衣裳は「ダイ・ハード2」のマリリン・ヴァンス=ストレイカー。共演は「デイライト」のヴィーゴ・モーテンセン、「キルトに綴る愛」のアン・バンクロフト、「デッドマン・ウォーキング」のスコット・ウィルソンほか。60点 -
ジャッカル
制作年: 1997ジャッカルという呼び名だけ知られる正体不明の超大物暗殺者と、彼を追うIRAの元テロリストの攻防を描くサスペンス・アクション。フレデリック・フォーサイスの有名小説『ジャッカルの日』のフレッド・ジンネマン監督による同名映画化作品(73)にインスパイアされている(クレジットはなし)。監督は「ボーイズ・ライフ」「ロブ・ロイ ロマンに生きた男」のマイケル・ケイトン=ジョーンズ。原案・脚本は「ハード・ターゲット」のチャック・ファーラー。製作はケイトン=ジョーンズと、「マイケル」のジェームズ・ジャックスとショーン・ダニエル、「デビル」のケヴィン・ジャール。製作総指揮はテレンス・クレッグ、ハル・リーバーマン、ゲーリー・レヴィンソン、マーク・ゴードン。撮影は監督とは「ロブ・ロイ」でも組んだ、「インデペンデンス・デイ」はじめローランド・エメリッヒ監督とのコンビで知られるカール・ウォルター・リンデンロウブ。音楽はコーエン兄弟とのコンビで知られる、「アサシンズ」のカーター・バーウェルで、主題歌はマッシヴ・アタックが担当。美術は「ザ・ロック」のマイケル・ホワイト。編集は「ボーイズ・ライフ」「コピーキャット」のジム・クラーク。衣裳は「素顔のままで」のアルバート・ウォルスキー。タイトル・デザインは英国のアート・パンク集団であるサイモン・テイラーTOMATO LONDONが担当。主演は「フィフス・エレメント」のブルース・ウィリスと「真実の行方」のリチャード・ギア。共演は「スニーカーズ」のシドニー・ポワティエ、「ロミオ&ジュリエット」のダイアン・ヴェノーラ、「ふくろうの叫び」のマチルダ・メイ、「マイ・ニュー・ガン」のテス・ハーパーほか。70点 -
ジャッキー・ブラウン
制作年: 1997中年スチュワーデスが武器密売人と警察を向こうに回し、一獲千金の大博打に出る姿をコミカルに描いたサスペンス。監督・脚本は「レザボア・ドッグス」「パルプ・フィクション」のクエンティン・タランティーノで、彼の長篇劇映画第3作。原作は「ゲット・ショーティ」など映画化も多い作家エルモア・レナードの『ラム・パンチ』(邦訳・角川文庫)。製作はタランティーノの全監督作を手掛けるローレンス・ベンダー。製作総指揮はレナード、「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」のボブとハーヴェイのワインスタイン兄弟、リチャード・N・グラッドステイン。撮影はタランティーノの脚本・出演作「フロム・ダスク・ティル・ドーン」でも組んだギレルモ・ナヴァロ。音楽は前2作に続きタランティーノ自身が選曲、ベンダーと共同で製作総指揮をつとめた。美術のデイヴィッド・ワスコ、編集のサリー・メンケ、衣裳のメアリー・クレア・ハナンはタランティーノ作品の常連。主演は「Coffy コフィ」など70年代ブラックスプロイテーション映画の人気女優パム・グリアーで、タランティーノは10代からの憧れの女優の彼女のため、原作では白人の設定のヒロインを黒人に変更して脚本を執筆、彼女を起用した。共演は「パルプ・フィクション」「ロング・キス・グッドナイト」のサミュエル・L・ジャクソン、グリアーと『ホットシティ』(V)で共演したロバート・フォースター、「ルームメイト」のブリジット・フォンダ、「コップランド」のロバート・デ・ニーロ、「クローンズ」のマイケル・キートンと豪華な顔ぶれ。67点 -
スウィート ヒアアフター
制作年: 1997スクールバス転落事故が起こった小さな町をめぐる謎めいた物語を、独特の美学で描き出す神秘性あふれる人間ドラマ。監督・脚本は「エキゾチカ」のアトム・エゴヤン。製作はエゴヤンとカメリア・フリーバーグ。製作総指揮はロバート・ラントスとアンドラス・ハモリ。原作はベストセラー作家、ラッセル・バンクスの名作『この世を離れて』(邦訳・早川書房)。さらにドイツの童話『ハメルンの笛ふき』が引用されている。撮影は「エキゾチカ」のポール・サロシー。音楽は「エキゾチカ」「カーマ・スートラ」「百合の伝説」などのマイケル・ダンナ。美術はフィリップ・バーカー。編集はスーザン・シップトン。出演は「炎のランナー」「裸のランチ」「フィフス・エレメント」のイアン・ホルム、「エキゾチカ」のサラ・ポーリーと「エキゾチカ」のブルース・グリーンウッド、エゴヤン監督の妻であるアルシネ・カーンジャンほか。97年カンヌ国際映画祭グランプリなど各賞を受賞。 -
ダロウェイ夫人
制作年: 1997老いや死を意識し始めた女性の心の移ろいを描いた一編。20世紀を代表する女性作家ヴァージニア・ウルフの長編小説『ダロウェイ夫人』の映画化。監督は「アントニア」でアカデミー外国語映画賞を受賞したマルレーン・ゴリス。脚本は舞台女優としても有名なアイリーン・アトキンス。製作はリサ・カテセラス・パレとステファン・ベイリー。製作総指揮はクリス・J・ボール、ウィリアム・タイラー、サイモン・カーティス、ビル・シェパード。撮影はスー・ギブソン。音楽はイロナ・セカス。美術はデイヴィッド・リチェンズ。編集はミヒャエル・ライヒヴァイン。衣裳はジュディー・ペッパーダイン。主演は「ディープ・インパクト」のヴァネッサ・レッドグレイヴ。共演は「デビル」のナターシャ・マケルホーン、「英国万歳!」のルパート・グレイヴス、「魅せられて四月」のマイケル・キッチン、「ヤング・シャーロック ピラミッドの謎」のアラン・コックス、「ジャングル・ブック」のリナ・ハーディ、「エレファント・マン」のジョン・スタンディングほか。 -
ディアボロス 悪魔の扉
制作年: 1997大都会ニューヨークを舞台に、悪魔が法曹界の黒幕となり若き弁護士の魂を狙うという訴訟王国アメリカならではのオカルト映画。監督は「黙秘」のテイラー・ハックフォード(製作総指揮も)。アンドリュー・ニーダーマンの小説『悪魔の弁護人』(ソニー・マガジンズ刊)を原作に、ジョナサン・レムキンと「ボディ・バンク」のトニー・ギルロイが執筆。製作は「フリー・ウィリー3」のアーノン・ミルチャン、「マッド・シティ」のアーノルドとアン・コペルソン夫婦の共同。撮影は「マンハッタン・ラプソディ」のアンジェイ・バートコウィアック。音楽は「ポストマン」のジェームズ・ニュートン・ハワード。美術は「依頼人」のブルーノ・ルビオ。編集はマーク・ワーナー。衣裳はジュディアンナ・マコウスキー。SFXは「メン・イン・ブラック」のリック・ベイカー。出演は「死にたいほどの夜」のキアヌ・リーヴス、「フェイク」のアル・パチーノ、「トゥー・デイズ」のシャーリーズ・セロン、「クルーシブル」のジェフリー・ジョーンズほか。60点 -
トゥモロー・ネバー・ダイ
制作年: 1997英国諜報部MI6の諜報員007ことジェームズ・ボンドが活躍するシリーズ第18作。監督は「刑事ジョー ママにお手あげ」のロジャー・スポティスウッド。製作は「ゴールデンアイ」に続いてマイケル・G・ウィルソンとバーバラ・ブロッコリのコンビ。なお、本作は96年に世を去った映画007シリーズの生みの親でふたりの義父/実父であるアルバート・R・ブロッコリに捧げられている。脚本はベストセラー作家・TV構成作家としても知られる「ゴールデンアイ」のブルース・フィアステイン。撮影は「BOYS」のロバート・エルスウィット。音楽は「インデペンデンス・デイ」のデイヴィッド・アーノルド。美術は「ピノキオ」のアラン・キャメロン。編集はドミニク・フォーティンとマイケル・アーカンド。衣裳はリンディ・ヘミング。特殊効果スーパーバイザーは特殊効果スタッフとして「007 私を愛したスパイ」以降の全シリーズに参加しているクリス・コーボールド。ミニチュア・エフェクト・スーパーバイザーは「ブロークン・アロー」のジョン・リチャードソン。主演は前作「ゴールデンアイ」で五代目ボンドを襲名した「ダンテズ・ピーク」のピアース・ブロスナン。共演は「エビータ」のジョナサン・プライス、「プロジェクトS」のミシェル・ヨー(ミシェール・キングから改名)、「2デイズ」のテリー・ハッチャー、「ゴールデンアイ」のジュディ・デンチほか。後に邦題が「007/トゥモロー・ネバー・ダイ」に改題。80点 -
スライディング・ドア
制作年: 1997電車のドアが閉まった場合と閉まらなかった場合という、ふたつの運命による恋の行方を並行して綴っていくユニークなラヴ・ストーリー。監督・脚本は、「父の祈りを」などの俳優として知られるピーター・ホーウィット。これが劇映画の長編デビュー作となる。製作は、「トッツィー」「愛と哀しみの果て」などの監督として知られるシドニー・ポラックとフィリッパ・ブレイスウェイト、ウィリアム・ホルバーグの共同。撮影はレミ・エイドファラシン。音楽はデイヴィッド・ハーシュフェルダー。美術はマリア・ジャーコヴィック。編集は「リービング・ラスベガス」のジョン・スミス。衣裳デザインはジル・テイラー。出演は「セブン」「大いなる遺産」のグウィネス・パルトロウ、「フォー・ウエディング」のジョン・ハンナ、「モル・フランダース」のジョン・リンチ、「ウォーターワールド」のジーン・トリプルホーンほか。97年サンダンス映画祭オープニング作品。 -
ニル・バイ・マウス
制作年: 1997酒とドラッグに明け暮れるロンドン下町の労働者階級の生活を、激しくも温かい視線でとらえた一編。監督・脚本は「レオン」「フィフス・エレメント」などの個性派俳優ゲーリー・オールドマンで、彼の監督デビュー作。オールドマン自身が幼少期をすごしたロンドンの下町をモデルにしている。製作は「フィフス・エレメント」のリュック・ベッソンとダグラス・アーバンスキ、オールドマン。撮影は「バスキア」のロン・フォーチュナト。音楽はロック界を代表するギタリスト、エリック・クラプトンがつとめ、音楽監修にマーゴット・コアがあたった。美術は「プリック・アップ」のヒューゴ・ルクツィク=ウィホウスキー。編集はブラッド・フラー。衣裳はバーバラ・キッド。出演は「レディバード レディバード」のレイ・ウィンストン、「奇跡の海」のキャシー・バークほか。 -
ピースメーカー
制作年: 1997消えた核の行方を巡り、世界的な規模で展開するハイテク・サスペンスアクション。監督のスティーヴン・スピルバーグ、パラマウント映画やタッチストーン・ピクチャーズ出身のプロデューサーのジェフリー・カッツェンバーグ、ゲフィン・レコードの代表であるデイヴィッド・ゲフィンの3人が共同で設立して話題を呼んだエンターテイメントの総合会社、ドリームワークスKSG社(3人のイニシャル)の第1回映画作品。監督にはTVドラマ『ER 緊急救命室』の女性監督ミミ・レダーが抜擢され、劇場用長編映画のデビューを飾った。米国のジャーナリスト、アンドリューとレスリーのコクバーン夫妻の旧ソ連における核燃料物質の密輸に関する取材に基づき、「クリムゾン・タイド」のマイケル・シーファーが脚本を執筆。製作は「ツイスター」「メン・イン・ブラック」のウォルター・パークスと「シンドラーのリスト」のブランコ・ラスティグ。製作総指揮は「ツイスター」「メン・イン・ブラック」のローリー・マクドナルドと「わが街」「ワイアット・アープ」のマイケル・グリロ。ニューヨーク、スロヴァキア、マケドニアとスケールの大きなロケをこなした撮影は「ザ・マシーン 私の中の殺人者」のディートリッヒ・ローマン、音楽は「ザ・ロック」のハンス・ジマー、美術は「キルトに綴る愛」のレスリー・ディレイ、編集はデイヴィッド・ローゼンブルーム、衣裳は「マイ・ガール2」のシェリー・コマロフが担当。主演は「素晴らしき日」『ER』のジョージ・クルーニーと「ある貴婦人の肖像」のニコール・キッドマン。共演は「シャイン」のアーミン・ミューラー=スタール、「ミッション:インポッシブル」のマーセル・ユーレス、「ハイヤー・ラーニング」のランドール・バティンコフ、ロシアの演劇界で活躍するアレクサンダー・バルエフ、同じくクロアチア演劇界で活躍するレネ・メドヴェセクほか国際色豊かな顔ぶれ。80点 -
コレクター(1997)
制作年: 1997才色兼備の女性ばかりを狙った連続誘拐犯罪を犯罪心理学のスペシャリストが解明していくサイコ・サスペンス。監督は「デンバーに死す時」のゲーリー・フレダー。製作は「セイント」のデイヴィッド・ブラウンとジョー・ワイザン。脚本はジェームズ・パターソンの原作『キス・ザ・ガール』を基に、デイヴィッド・クラスとフレダーが担当。撮影は「タイタニック」の第2班撮影を担当したアーロン・シュナイダー。音楽は「ラストダンス」のマーク・アイシャム。出演は「アミスタッド」のモーガン・フリーマン、「ノーマ・ジーンとマリリン」のアシュレイ・ジャッドほか。70点 -
北京のふたり
制作年: 1997異国の地、北京で殺人の罪を着せられたアメリカ人男性と、古い因習を断ち切って彼の弁護を引き受ける中国人女性との心の交流を描いた法廷サスペンス・ドラマ。監督は「アンカーウーマン」のジョン・アヴネット。製作はアヴネットとジョーダン・カーナー、チャールズ・B・マルベヒル、ロザリー・スウェドリンの共同。製作総指揮は「エアフォース・ワン」などの監督で知られるウォルフガング・ペーターセンと、同じく「エアフォース・ワン」の製作者であるゲイル・カッツ。脚本はロバート・キングのオリジナル。撮影は「ジャッカル」のカール・ウォルター・リンデンラウブ。カリフォルニアにリアルな北京の街並を再現した美術は「ディック・トレイシー」などのベテラン、リチャード・シルバート。編集はピーター・E・バーガー、衣装はアルバート・ウォルスキー。音楽は「フェノミナン」のトーマス・ニューマン。主演は「ジャッカル」のリチャード・ギアと、この作品がハリウッド本格的デビューとなるバイ・リン。共演は「フィラデルフィア」のブラッドレー・ホイットフォード、「ストリート・ファイター」のバイロン・マンほか60点 -
ホーム・アローン3
制作年: 1997泥棒をあの手この手で撃退するいたずらっ子の活躍を描く人気コメディシリーズの第3作。主演には前2作のマコーレー・カルキンから交代して、「素晴らしき日」のアレックス・D・リンツが起用された。製作(「すてきな片想い」のヒルトン・グリーンと共同)・脚本は前2作を手掛けたジョン・ヒューズで、監督には前2作のクリス・コロンバス監督の下、編集者をつとめたラジャ・ゴズネルが起用され、本作で長編劇映画デビューを飾った。製作総指揮は「フラバー」のリカルド・メストレス。撮影は前2作に続きジュリオ・マカット。音楽は「クール・ランニング」「ザ・ロック」のニック・グレニー=スミス。美術は「真夜中のサバナ」などのヴェテラン、ヘンリー・バムステッド。編集は「フェノミナン」のブルース・グリーンと「リッチー・リッチ」のマルコム・キャンベルの共同。共演は「フェア・ゲーム」のオレック・クルパ、「ルトガー・ハウアー 処刑脱獄」のリア・キルステッド、「すてきな片想い」のハヴィランド・モリス、「スウィッチ 素敵な彼女?」のケヴィン・キルナー、舞台のヴェテラン女優のマリアン・セルテス、「シーズ・ソー・ラヴリー」のデイヴィッド・ソーントン、「エレクトリック・ドリーム」のレニー・フォン・ドーレンほか。80点 -
ボクサー(1997)
制作年: 1997刑務所帰りの元ボクサーと、彼の元恋人の人妻をめぐるラヴ・ロマンス。監督は「マイ・レフト・フット」「父の祈りを」のジム・シェリダンで、主演のダニエル・デイ=ルイスとのコンビ3作目となる。製作はシェリダンと、前2作で彼と組むアーサー・ラピン。脚本はシェリダンと「父の祈りを」のテリー・ジョージ。撮影は「マイケル・コリンズ」のクリス・メンゲス。美術は「エビータ」のブライアン・モリス。音楽のギャヴィン・フライデーとモーリス・シーザー、編集のジェリー・ハンブリングは「父の祈りを」に続く参加。共演は「奇跡の海」のエミリー・ワトソン、「チェーン・リアクション」のブライアン・コックスほか。100点 -
ザ・ワイルド
制作年: 1997極限状況下におかれた男たちのサバイバルを、サスペンスを織り交ぜ荘厳な自然の風景の中で力強く描いたアクション。監督は「狼たちの街」のリー・タマホリ。製作は「大いなる遺産」のアート・リンソン。製作総指揮は「12モンキーズ」のロイド・フィリップス。脚本は「殺人課」(監督も)「ウワサの真相 ワグ・ザ・ドッグ」のデイヴィッド・マメット。撮影は「ロミオ&ジュリエット」のドナルド・M・マカルパイン。音楽は「エアフォース・ワン」のジェリー・ゴールドスミス。出演は「ケロッグ博士」のアンソニー・ホプキンス、「陪審員」のアレック・ボールドウィン、「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」のエル・マクファーソン、「ブラッド&ワイン」のハロルド・ペリノー、「カジノ」のL・Q・ジョーンズほか。80点 -
フィフス・エレメント
制作年: 1997遙かな未来、地球存亡の危機に立ち向かう男女の活躍を描いたSFエンターテインメント超大作。「レオン」のリュック・ベッソンが16歳の時に思いついた物語を、100億円の大予算を投じて映画化。脚本はベッソンと「雲の上で散歩」のロバート・マーク・ケイメンの共同。ストーリーよりも映像やパッションを重視しており、古今東西の作品にインスパイアされた、めくるめくビジュアルが圧巻。製作は「グラン・ブルー」以来全作でベッソンと組んでいるパトリス・ルドゥー、撮影は「ニキータ」「レオン」でもベッソンと組んだティエリー・アルボガスト、音楽はベッソンの全作に参加しているエリック・セラ、美術はダン・ヴェイル、編集はシルヴィ・ランドラ、衣裳はフランス・ファッション界の大物ジャン・ポール=ゴルチエが担当。特殊視覚効果は「ウォーターワールド」「アポロ13」「ダンテズ・ピーク」のデジタル・ドメイン社で、視覚効果監修は「アポロ13」のマーク・ステットソン。未来都市のデザインには、世界的なコミック・アーティストのメビウスとジャン=クロード・メジャースが参加している。主演は「12モンキーズ」「ラストマン・スタンディング」のブルース・ウィリス、「チャーリー」などの映画出演作もあるスーパーモデルのミラ・ジョヴォヴィッチ。共演は「レオン」のゲイリー・オールドマン、「永遠の夢/ネス湖伝説」のイアン・ホルム、「パンサー」のクリス・タッカーほか。60点 -
エアフォース・ワン
制作年: 1997“空飛ぶホワイトハウス”の異名を取る合衆国大統領専用機を舞台に、機をハイジャックしたテロリストたちに単身戦いを挑む大統領の活躍を描いたサスペンス・アクション。監督は「U・ボート」「アウトブレイク」のウォルフガング・ペーターゼン。撮影は「スリーパーズ」のミヒャエル・バルハウス、音楽は「エグゼクティブ デシジョン」のジェリー・ゴールドスミス。本物と同じ747型旅客機をベースに、内部を見事に再現した美術は「トータル・リコール」「ロボコップ」のウィリアム・サンデル。編集は「ザ・ロック」のリチャード・フランシス=ブルース、視覚効果監修は「スター・ウォーズ」シリーズのリチャード・エドランド。主演は「デビル」のハリソン・フォード。共演は「フィフス・エレメント」のゲイリー・オールドマン、「101」「マーズ・アタック!」のグレン・クローズ、「コリーナ、コリーナ」のウェンディ・クルーソン、「リトル・プリンセス」のリーセル・マシューズ、「ファーゴ」のウィリアム・H・メイシー、「U・ボート」「イングリッシュ・ペイシェント」のユルゲン・プロホノフほか。68点 -
危険な動物たち
制作年: 1997大企業に買収された動物園を舞台に、おかしな人々が巻き起こす騒動を描いたブラック・コメディ。ジョン・クリース、ジェイミー・リー・カーティス、ケヴィン・クライン、マイケル・ペイリンの「ワンダとダイヤと優しい奴ら」の主演4人組が再び結集し、前作に続いて米英の笑いのテイストをミックスした作風が楽しめる。監督は当初、「吸血鬼サーカス団」『相続王座決定戦』(V)のロバート・ヤングがあたったが、試写を観た製作者側が難色を示し、4人のスケジュールが空くのを待って、「愛しのロクサーヌ」「星に想いを」のフレッド・スケピシが撮り直しを担当した。脚本はジョン・クリースと作家としても活躍するイアイン・ジョンストンの共同。製作は、クリースと「フィーリング・ミネソタ」のマイケル・シャンバーグ。撮影は「101」のエイドリアン・ビドル、音楽は「ゴースト&ダークネス」のジェリー・ゴールドスミス。共演は「リービング・ラスベガス」のキャリー・ローウェル、英国の舞台俳優の大物で『ハリウッド夢、夢物語』(V)などの映画出演作もあるロバート・リンゼイ、英国のコメディアンのロニー・コルベットほか。80点 -
セブン・イヤーズ・イン・チベット
制作年: 1997神秘的な禁断の地チベットを舞台に、若き日のダライ・ラマと伝説の登山家の魂の交流を描いた、ロマン溢れるヒューマン・ドラマ。オーストリアに実在した世界的な登山家ハインリヒ・ハラーの実体験に基づく同名著書を、「愛人/ラマン」「愛と勇気の翼」のジャン=ジャック・アノーの監督で映画化。脚本は「プリンス アンダー・ザ・チェリー・ムーン」のベッキー・ジョンストン、撮影はロバート・フレイズ、音楽は「スリーパーズ」のジョン・ウィリアムズで、チェロ演奏は世界的なチェリストであるヨーヨー・マ。主演は「スリーパーズ」「デビル」のブラッド・ピット。共演は「恋の闇 愛の光」のデイヴィッド・シューリス、「エグゼクティブ デシジョン」のB・D・ウォン、「ライジング・サン」のマコ、本物のダライ・ラマの5歳年下の妹であるジェツン・ペマほか。第10回東京国際映画祭に出品された際、中国政府が抗議のため、出品作品を上映中止にした事件も話題に。75点 -
17 セブンティーン
制作年: 1997人気DJとの出会いを経て大人への一歩を踏み出した少年の姿を通して、少年期のイノセンスとの訣別を描いた青春映画。「氷の微笑」「ショーガール」などのハリウッドの売れっ子脚本家ジョー・エスターハスの自伝的なオリジナル脚本を、「ベビーシッター」のガイ・ファーランドの監督で映画化。製作は「ショーガール」のベン・マイロンと「バッフィ ザ・バンパイア・キラー」のフラン・ルーベル・クズイ。製作総指揮はブライアン・スワードストローム、ミッキー・リドル、ジョーの妻ナオミ・エスターハス。音楽はニコラス・パイクがスコアを書き、ピーター・アフターマンの監修で61年当時のヒット曲が全編に流れる。主演は「スリーパーズ」に続く共演となるブラッド・レンフロとケヴィン・ベーコンで、ベーコンは挿入歌「ミディアム・レア」の作詞・作曲も手掛けている。共演は「リトル・オデッサ」のマクシミリアン・シェル、「バードゲージ」のカリスタ・フロックハートほか。 -
タイタニック(1997)
制作年: 1997北大西洋上で氷山に衝突し、20世紀最大の海難事故となった豪華客船タイタニック号の悲劇を、ラヴ・ストーリーの要素を交じえて描いたスペクタクル超大作。ほぼ原寸大に再現されたタイタニック号をはじめ、総製作費2億ドルという巨費を投じたゴージャスな雰囲気が見どころ。監督・脚本は「ターミネーター2」「トゥルーライズ」のジェームズ・キャメロン。SFXはキャメロン自身が設立した特撮工房のデジタル・ドメインがあたった。製作はキャメロンと「トゥルーライズ」のジョン・ランドー。製作総指揮のレイ・サンチーニ、撮影のラッセル・カーペンター、美術のピーター・ラモント、編集(キャメロンも参加)のコンラッド・バフ(「ダンテズ・ピーク」)とリチャード・A・ハリス、特殊効果コーディネーターのトーマス・L・フィッシャーは「トゥルーライズ」に続いての参加。共同製作はアル・ギディングス、グラント・ヒル、シャロン・マン。音楽は「身代金」「デビル」のジェームズ・ホーナー。衣裳は「レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い」のデボラ・L・スコット。スタント・コーディネーターは「ゴールデンアイ」のサイモン・クレーン。海洋部門コーディネーターは「ウォーターワールド」のランス・ジュリアン。主演は「ロミオ&ジュリエット」のレオナルド・ディカプリオと「日蔭のふたり」のケイト・ウィンスレット。共演は「トゥルーライズ」のビル・パクストン、「真夏の出来事」のビリー・ゼーン、「悪魔のような女」のキャシー・ベイツ、「許されざる者」のフランシス・フィッシャー、「ユージュアル・サスペクツ」のスージー・エイミス、「ファースト・ワイフ・クラブ」のヴィクター・ガーバー、「ゴースト&ダークネス」のバーナード・ヒル、「アナコンダ」のジョナサン・ハイド、「マウス・オブ・マッドネス」のデイヴィッド・ワーナー、「透明人間」(33)の老女優グロリア・スチュワートほか。70点 -
ダンテズ・ピーク
制作年: 1997火山の噴火の驚異とそれに立ち向かう人々の姿を、最新のSFXを駆使した描いたパニック・スペクタクル超大作。「トゥルーライズ」「アポロ13」の特撮工房、デジタル・ドメイン社が手掛けた噴煙・溶岩・大地の揺れ・火砕流などのリアルかつ凄まじい表現が見どころ。脚本は「デイライト」でパニック状況下の人間ドラマを書き上げて評価されたレスリー・ボーエンのオリジナル。監督には、映画界入りいる以前はオーストラリアの大学で地質学を学んでいたという「カクテル」「追いつめられて」「ゲッタウェィ」のロジャー・ドナルドソンが起用された。製作は「ターミネーター1、2」「トゥルーライズ」のゲイル・アン・ハードとジョゼフ・M・シンガー、製作総指揮はイロナ・ハーツバーグ、製作協力と第二班監督は「フリージャック」のジョフ・マーフィ。撮影は「スピーシーズ 種の起源」のアンジェイ・バートコウィアック、音楽はジョン・フリッツェルがスコアを書き、テーマ曲の作曲は「恋の闇 愛の光」のジェームズ・ニュートン・ハワード。美術はデニス・ワシントン、編集はコンラッド・バフ、ハワード・スミス。主演は「007/ゴールデンアイ」のピアース・ブロスナンと「ターミネーター1、2」のリンダ・ハミルトン。70点 -
デビル(1997)
制作年: 1997IRAの闘士とアイリッシュ系アメリカ人警官の運命的な対決を描いた、サスペンス・アクション調の人間ドラマ。新旧2大スターの共演と重厚かつ的確な演出が魅惑的。監督は「大統領の陰謀」「ペリカン文書」のアラン・J・パクラ。脚本はケヴィン・ジャールの原案を基に、ジャールと「雲の中で散歩」のロバート・マーク・ケイメンが執筆したオリジナル。製作は「ダイ・ハード」シリーズのローレンス・ゴードンと、ロバート・F・コールズベリーの共同。製作総指揮はロイド・レヴィンとドナルド・レヴェンサル。撮影は「コールガール」「推定無罪」などでパクラと組んでいるゴードン・ウィリス、音楽は「身代金」のジェームズ・ホーナー、美術は「訣別の街」に続いて全編NYロケ作品となるジェーン・マスキー。編集は「ペリカン文書」「ヒート」のトム・ロルフとデニス・ヴァークラー。主演は「サブリナ」のハリソン・フォードと「12モンキーズ」のブラッド・ピット。共演は「インデペンデンス・デイ」のマーガレット・コリン、サルサ・ミュージシャンで「プレデター2」など映画出演作も多いルーベン・ブレイズ、「デンバーに死す時」のトリート・ウィリアムズ、パクラとは「スニーカーズ」「失踪」でも組んだジョージ・ハーン、「モンテ・ウォルシュ」のミッチェル・ライアン、「サバイビング ピカソ」のナターシャ・マケルホーン、アイルランド映画界で活躍し、これが米国デビュー作のポール・ローナンほか。60点 -
秘密の絆
制作年: 1997アメリカ・イリノイ州を舞台に、美しい三姉妹をめぐる愛のドラマと家族の葛藤を描くラヴ・ストーリー。監督は「サークル・オブ・フレンズ」のパット・オコナー、製作総指揮は「潜望鏡を上げろ」のジャック・カミンズと「ライアーライアー」のカレン・ケヘラ、製作は「ライアーライアー」のブライアン・グレイザー、「身代金」のロン・ハワード、「ライアーライアー」のジャネット・メイヤーズ。スー・ミラーの原案を新鋭ケン・ヒクソンが脚本にした。撮影は「サークル・オブ・フレンズ」のケネス・マクミラン、音楽は「ジャック」のマイケル・ケイメン、美術はアンダーグラウンド・コミックのアーティストとしても知られる「フォー・ルームス」のゲイリー・フルットコフ、編集は「バットマン」のレイ・ラヴジョイ、衣裳は「陽のあたる教室」のアギー・ゲラード・ロジャース。出演は「誘う女」のホアキン・フェニックス、「すべてをあなたに」のリヴ・タイラー、「狼たちの街」のジェニファー・コネリーほか。 -
フェイク
制作年: 1997FBIの潜入捜査官とマフィアの男、生きる世界の違う2人の男の友情と葛藤を描いた実話に基づく感動の物語。元FBI潜入捜査官だったジョゼフ・ピストーネがリチャード・ウーリーと共同で執筆した回想録『フェイク/マフィアをはめた男』(集英社文庫)を、「クイズ・ショウ」のポール・アナタシオが脚色。監督には「フォー・ウェディング」「恋する予感」のマイク・ニューウェルが当たった。製作は「スリーパーズ」のマーク・ジョンソン、バリー・レヴィンソン、ルイス・ディジアイモ、「クイズ・ショウ」のゲイル・マトラックス。製作総指揮はパトリック・マコーミックとアラン・グリーンスパン。撮影は「ダイナー」「グッドモーニング,ベトナム」のピーター・ソーヴァ、音楽は「いつか晴れた日に」のパトリック・ドイル、美術はドナルド・グラハム・バート、編集はジョン・グレゴリー、衣裳はオード・ブロンソン=ハワードとデイヴィッド・ロビンソン、メインタイトル・デザインは「ミッション:インポッシブル」のカイル・クーパー。主演は「ヒート」のアル・パチーノと「ニック・オブ・タイム」のジョニー・デップ。共演は「ボルケーノ」のアン・ヘッチ、「フランキー・ザ・フライ」のマイケル・マドセン、「スリーパーズ」のブルーノ・カービー、「パンサー」のジェームズ・ルッソほか。97年キネマ旬報外国映画ベスト・テン第7位。70点 -
ベスト・フレンズ・ウェディング
制作年: 1997結婚の決まった元恋人の愛を取り戻そうと悪戦苦闘する女性の姿を描いたラブ・コメディ。処女作「ミュリエルの結婚」でオーストラリアン・アカデミー賞で4部門を受賞したP・J・ホーガンのハリウッド初進出作。脚本は「ため息つかせて」のロナルド・バス、製作はバスと「雲の中で散歩」のジェリー・ザッカー、製作総指揮も同作のジル・ネッターと、「キルトに綴る愛」のパトリシア・ウィッチャー。撮影は「クローンズ」のラズロ・コヴァックス、音楽は「SPACE JAM」のジェームズ・ニュートン・ハワードで、オープニングの『ウィッシン・アンド・ホーピン』などバート・バカラック作曲によるナンバー5曲が物語を彩る。美術は「ディック トレイシー」のリチャード・シルバート、編集は「恋の闇 愛の光」のガース・クレイヴンと「ライトスタッフ」のリサ・フラクトマン、衣裳は「ブロードウェイと銃弾」のジェフリー・カーランド。主演は「マイケル・コリンズ」「世界中がアイ・ラヴ・ユー」のジュリア・ロバーツ。共演は「カンザス・シティ」のダーモット・マルロニー、「真夏の出来事」のキャメロン・ディアス、「プレタポルテ」のルパート・エヴェレット、「羊たちの沈黙」のフィリップ・ボスコ、「ハーモニー」のレイチェル・グリフィス、本作がデビューのキャリー・プレストンほか。80点 -
ボルケーノ
制作年: 1997突如ロサンゼルスを見舞った火山活動による災害の恐怖とそれに立ち向かう人々の勇気を描いたパニック・スペクタクル大作。CGIとミニチュアで作られた災害描写が圧倒的な迫力。監督は「ボディガード」のミック・ジャクソン。脚本はこれが初の劇場用映画となるジェローム・アームストロングの原案を、彼とビリー・レイが脚色。製作は「ジュース」のニール・H・モリッツと「めぐり逢い」(94)のアンドリュー・Z・デイヴィス、製作総指揮は「フリー・ウィリー」シリーズのローレン・シュラー・ドナー。撮影は「ウェインズ・ワールド」のテオ・ヴァン・デ・サンド、音楽は「イレイザー」のアラン・シルヴェストリ、美術は「ダイ・ハード1、2」「スピード」のジャクソン・デゴヴィア、編集は「暴走特急」「イレイザー」のマイケル・トロニックとドン・ブロシュ、衣裳は「ザ・クロウ」のカーステン・エヴァーバーグ。特殊視覚効果監修は「ナッティ・プロフェッサー/クランプ教授の場合」のマット・ベック、特殊メカニカル効果コーディネーターは「エスケープ・フロム・L.A.」のマーティ・ブレシンほかが担当。主演は「タイ・カップ」のトミー・リー・ジョーンズ。共演は「陪審員」のアン・ヘッチ、「めぐり逢えたら」のギャビー・ホフマン、「青いドレスの女」のドン・チードル、「クイック&デッド」のキース・デイヴィッド、「ジェネレーションズ/STAR TREK」のジャクリーン・キム、「トゥームストーン」のジョン・コルベット、「ファーゴ」のジョン・キャロル・リンチほか。70点 -
クルーシブル
制作年: 199717世紀末、米国で実際に起こった魔女狩り裁判を描いた重厚な人間ドラマ。赤狩りといわれた50年代米国のマッカーシズムへの批判として書かれた、米国の劇作家アーサー・ミラーの戯曲『坩堝』を、彼自身の手で映画用に脚色(シモーヌ・シニョレ、イヴ・モンタン主演、レイモン・ルロー監督の「サレムの魔女」に続く2度目の映画化)。監督には『回転木馬』『ミス・サイゴン』『リア王』などの舞台で知られ、映画は「英国万歳!」に続いて2作目となる英国の演出家ニコラス・ハイトナーがあたった。製作はアーサー・ミラーの長男ロバート・A・ミラーと「ステラ」のデイヴィッド・V・ピッカー。撮影は英国のTV界で活躍し、ハイトナーとは前作でも組んだアンドリュー・ダン、音楽は「大地と自由」のジョージ・フェントン、美術は「ストレンジ・デイズ 1999年12月31日」のリリー・キルバート、編集は「ボディガード」のタリク・アンクワール、衣裳は舞台畑でも活躍し、ハイトナーとは舞台も含めて6度目の顔合わせのボブ・クロウリー。主演は「父の祈りを」以来3年ぶりの出演作となるダニエル・デイ=ルイスと、「BOYS」のウィノナ・ライダー。共演は「グレイス・オブ・マイ・ハート」のブルース・デイヴィソン、「クイズ・ショウ」のポール・スコフィールド、「ニクソン」のジョーン・アレン、「エド・ウッド」のジェフリー・ジョーンズ、「ポリス・アカデミー」シリーズのジョージ・ゲインズほか。80点 -
スピード2
制作年: 1997大ヒットを記録したノンストップ・アクション「スピード」(94)の続編。前作の4倍強の製作費1億4千万ドルを投じ、バス一台だった前作から一転、シージャックされた豪華客船を主な舞台に、陸・海・空の見せ場を満載した巨大スケールのエンターテインメントとなった。監督は前作に続き「ツイスター」のヤン・デ・ボンが当たり、彼と新進脚本家ランドール・マコーミックの原案を基に、マコーミックとジェフ・ネイサンソンが執筆。製作はヤン・デ・ボン、「エクゼクティプ デシジョン」のスティーヴ・ペリー、「マチルダ」のマイケル・ペイサー。撮影は「ツイスター」「目撃」のジャック・N・グリーン、編集はスピルバーグ作品の名編集者マイケル・カーンの助手を長く務め、これが一本立ちとなるアラン・コーディ。音楽は「スピード」「ツイスター」のマーク・マンチーナがスコアを書き、マキシ・プリーストの『夢見るNo.1』、スティングの『見つめていたい』ほかを挿入曲として使用。さらにエンディング・テーマ曲を、アメリカ映画初進出のTKコムロこと小室哲哉がプロデュースしたことでも話題を提供。主演は前作に続き「評決のとき」のサンドラ・ブロック。相手役は降板したキアヌ・リーヴスに代わって「スリーパーズ」のジェイソン・パトリックを抜擢。共演は、敵役で怪演する「イングリッシュ・ペイシェント」「バスキア」のウィレム・デフォー。これがデビューとなる13歳の少女クリスティーン・ファーキンスに加え、ジョー・モートン、グレン・プラマーが前作に続いて再登場。60点 -
マンハッタン・ラプソディ
制作年: 1997美醜にこだわり、セックスに惑わされる、現代の悩める恋人たちの姿をユーモラスに描いたロマンチック・コメディ。ニューヨークの実景をたっぶり取り入れた美しい映像と、豪華俳優陣の共演が見どころ。アンドレ・カイヤット監督のフランス映画「両面の鏡」(58)を下敷きに、「マディソン郡の橋」のリチャード・ラグラヴェニーズが原案・脚本を書き、「サウス・キャロライナ/愛と追憶の彼方」のバーブラ・ストライサンドが監督・製作・主演でリメイク。製作はストライサンドと「ヒート」のアーノン・ミルチャン、製作総指揮はシス・コーマン。撮影は「クイック&デッド」のダンテ・スピノッティと「グッドマン・イン・アフリカ」のアンジェイ・バートコウィアック。音楽は「ファニー・レディ」以来のストライサンドと名コンビのマーヴィン・ハムリッシュ、美術はトム・ジョン、編集はジェフ・ワーナー、衣裳は「ファースト・ワイフ・クラブ」のテオーニ・V・アルドリッジ。共演は「白い嵐」のジェフ・ブリッジス、「プレタポルテ」のローレン・バコール、「ダンテズ・ピーク」のピアース・ブロスナン、「逃亡者」(90)のミミ・ロジャースほか。80点 -
メン・イン・ブラック
制作年: 1997地球上のエイリアンの動きを監視する機密帰還の捜査官たちの活躍を描いたSFコメディ。史上最多といわれる250カットものSFXシーンとオフ・ビートなコメディ・センスが見どころ。60年代初頭から全米で噂が広まり始めた、UFOの目撃者の元に政府機関の男たちが訪れ、証言を撤回するように脅すという噂をモチーフにしたローウェル・カニンガムの同名コミックの映画化。監督には「ゲット・ショーティ」のバリー・ソネンフェルド、製作総指揮には「ロスト・ワールド ジュラシック・パーク」のスティーヴン・スピルバーグが当たった。映画用原案・脚本は「ビルとテッドの大冒険」のエド・ソロモン、製作は「ツイスター」のウォルター・F・パークスとローリー・マクドナルド。撮影は「ゲット・ショーティ」のドン・ピーターマン、音楽は「マーズ・アタック!」のダニー・エルフマン、60年代風のレトロ未来世界調の美術は「バットマン リターンズ」「バードケージ」のボー・ウェルチ、編集はジム・ミラー、衣裳はメアリー・E・ヴォクト、視覚効果監修は第二班監督でもあるILMのエリック・ブレヴィクが手掛け、エイリアンのメイクアップ・エフェクトは「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」のリック・ベイカーが担当。主演は「ボルケーノ」のトミー・リー・ジョーンズと「インデペンデンス・デイ」のウィル・スミスで、ラップ・シンガーでもあるスミスは同名主題歌も歌い、全米第1位を記録。共演は「アンフォゲタブル」のリンダ・フィオレンティーノ、「フィーリング・ミネソタ」のヴィンセント・ドノフリオ、「キルトに綴る愛」のリップ・トーンほか。70点 -
小さな贈りもの
制作年: 1996講演家の中年男と象の交流を描くハートウォーミング・ストーリー。監督は「F/X2 イリュージョンの逆転」のハワード・フランクリン。製作は「タンク・ガール」のリチャード・B・ルイス、ジョン・ワトソン、ペン・デンシャム。製作総指揮は「ナディーン 消えたセクシーショット」のヴォルフガング・グラッテス、「真夏の出来事」のガイ・イースト、「T-REX」のスー・バーデン・パウエル、ペン・デンシャムとギャリー・ウィリアムズの原案を基に、ロイ・ブラント・ジュニアが脚本を執筆。撮影はエリオット・デイヴィス。音楽は「ゲッティング・イーブン」のマイルス・グッドマン。美術はマルシア・ハインズ。編集はシドニー・レヴィン。衣裳はジェーン・ロビンソン。主演は「エド・ウッド」のビル・マーレイ。共演は「好きと言えなくて」のジャニーヌ・ギャラファロ、「評決のとき」のマシュー・マコノヒーほか。 -
すべてをあなたに(1996)
制作年: 199664年、1曲のヒットを残して消えたロックバンドの若者たちの成功と挫折を描いた青春映画。俳優トム・ハンクスの初監督作で、「フォレスト・ガンプ 一期一会」「アポロ13」と当時のアメリカの世相を反映した映画に出演した彼が、音楽の世界からアメリカ近代史の変革にアプローチしている。劇中の楽曲は全てオリジナルで、ビートルズなど当時のヒット曲のニュアンスを完璧に再現し、ファッションや風俗なども含めたディテールの細かさが楽しい。ハンクス主演、ジョナサン・デミ監督の「フィラデルフィア」の作曲家ハワード・ショアの原案を、ハンクスが脚色。製作はジョナサン・デミ(映画監督役で出演も)、彼とクリニカ・エスティコを主宰するゲイリー・ゴーツマンとエドワード・サクソンの共同。撮影は「羊たちの沈黙」などのデミ作品や、「ジャイアント・ピーチ」のタク・フジモト。音楽もデミ組の常連ハワード・ショアがスコアを書き、ハンクスが挿入歌の作詞・作曲と共同プロデュースも担当。主演は「キルトに綴る愛」のジョナサン・シャーチ、映画初出演のトム・エヴェレット・スコット、「リアリティ・バイツ」のスティーヴ・ザーン、「白い嵐」のイーサン・エンブリー、「魅せられて」のリヴ・タイラーらの若手キャスト。ハンクス夫人で「ジングル・オール・ザ・ウェイ」のリタ・ウィルソン、「ア・フュー・グッドメン」のケヴィン・ポラック、そしてハンクス自身らが脇を固める。90点 -
私家版
制作年: 1996小説の贋作を武器に、完全犯罪に挑んだ男の復讐劇を描いた心理ミステリー。仏ローザンヌ大学の歴史学教授であるジャン=ジャック・フィシュテルの同名処女小説(邦訳・東京創元社)で、フランス推理小説大賞など数々の賞を受賞した作品を映画化。監督・脚本にはジャーナリスト出身でニュース・キャスターとして有名なベルナール・ラップが当たり、初めてメガホンを取った。潤色・台詞は、ラップと作家リシャール・モルジエーヴの共同。撮影は「恋愛小説ができるまで」のロマン・ウィンディング、音楽は「愛しのエレーヌ」のジャン=フィリップ・グード衣裳は「パトリス・ルコントの大喝采」のアニー・ペリエ。主演は「プリシラ」のテレンス・スタンプ。共演は「厚化粧の女」のダニエル・メズギッシュ、「パルプ・フィクション」のマリア・デ・メデイルシュ、「ロスト・チルドレン」のジャン=クロード・ドレフュス、「三銃士」のフランク・フィンレイ、「エレファント・マン」のハンナ・ゴードンほか。 -
スリーパーズ
制作年: 1996少年院時代に受けた心の傷を引きずった若者たちの友情と復讐の物語を描く人間ドラマ。ニューヨーク・デイリー・ニュース紙の元記者ロレンゾ・カルカテラの実体験も基づくノンフィクション・ノベルを、「ディスクロージャー」のバリー・レヴィンソンの監督・脚本で映画化。製作はレヴィンソンと「ある貴婦人の肖像」のスティーヴ・ゴリン、製作総指揮は「わが心のボルチモア」以降のレヴィンソンの全作品に参加している彼の片腕ピーター・ジュリアーノ。撮影は「クイズ・ショウ」のミヒャエル・バルハウス、音楽は「ニクソン」のジョン・ウィリアムズがスコアを書き、アラン・メイソンの監修の下、フォー・シーズンズの『Walk Like a Boy』、ビーチ・ボーイズの『Good Vibration』などの既成曲が効果的に挿入されている。出演は「デビル」のブラッド・ピット、「ジェロニモ」のジェイソン・パトリック、「ザ・ファン」のロバート・デ・ニーロ、「アウトブレイク」のダスティン・ホフマン、「告発」のケヴィン・ベーコン、「マイ・フレンド・フォーエバー」のブラッド・レンフロ、「パレルモ」のヴィットリオ・ガスマンらの新旧男優陣に加え、紅一点として「サークル・オブ・フレンズ」のミニー・ドライヴァーが参加。 -
スリング・ブレイド
制作年: 1996精神病院帰りの知的障害の殺人犯と少年の心の交流を、味わい深いタッチで描いた一編。主演・監督・脚本は、本作でアカデミー脚色賞を受賞して一躍脚光を浴びた『ファミリー 再会のとき』(V)のマルチ・アーティスト、ビリー・ボブ・ソーントン。製作総指揮は本作を製作したザ・シューティング・ギャラリーの設立者(ボブ・ゴッシと共同)でもあるラリー・メイストリッチで、製作は同社に所属する『カフェ・ソサエティ 背徳の群れ』(V)のブランドン・ロッサーと『ニュージャージー・ドライブ』(V)のデイヴィッド・ブッシェルが担当。音楽はミュージシャンでもあるソーントンらしいセンスで、U2、ボブ・ディランなどビッグ・アーティストのプロデュースで名をはせるダニエル・ラノワが起用され、独特の空気感を漂わせた音で聴かせる。共演は「8月のメモワール」のルーカス・ブラック、人気カントリー・ミュージシャンのドワイト・ヨーカム(「ロズウェル」)、「ノース ちいさな旅人」のジョン・リッター、『ブルースが聞こえる』(V)などのナタリー・キャナディ、「エグゼクティブ デシジョン」のJ・T・ウォルシュ、「フェノミナン」のロバート・デュヴァルほか。また、「デッドマン」でソーントンを起用した監督のジム・ジャームッシュがカメオ出演している。97年アカデミー賞脚色賞受賞、主演男優賞ノミネート(ソーントン)。70点 -
さまよう魂たち
制作年: 1996悪霊祓いの詐欺師が残虐な死神と対決する姿をSFXを駆使して描いたホラー・コメディ。監督は「ブレインデッド」「乙女の祈り」の鬼才ピーター・ジャクソン。脚本は「乙女の祈り」でもジャクソンと組んだフラン・ウォルシュとの共同。製作はジェイミー・セルカーク(編集も)とジャクソン、製作総指揮は「フォレスト・ガンプ 一期一会」のロバート・ゼメキス。音楽は「ミッション:インポッシブル」のダニー・エルフマン、美術は「乙女の祈り」のグラント・メイジャー。視覚効果監修は「ロジャー・ラビット」「マスク」のウェス・フォード・タカハシ、特殊メイクは「エド・ウッド」のリック・ベイカー。主演は「アメリカン・プレジデント」のマイケル・J・フォックス。共演は「若草物語」のトリニ・アルヴァラード、「グレムリン2」のジョン・アスティン、「フォートレス」のジェフリー・コムズほか。 -
マイ・ルーム
制作年: 1996白血病で余命いくばくもない女性をめぐり、長年絶縁状態だった妹とその家族の再会と新しい絆を描くヒューマン・ドラマ。舞台演出家スコット・マクファーソンの原作戯曲に惚れ込んだ「ヒート」「ザ・ファン」の俳優ロバート・デ・ニーロ(自身も脇役で出演)が、自身の製作会社トライベッカを中心に、「ザ・ファーム 法律事務所」のスコット・ルーディン、「ブロンクス物語 愛につつまれた街」のジェーン・ローゼンサルと共同で製作。監督は四度のトニー賞受賞歴を誇るブロードウェイの演出家ジェリー・ザックスで、彼の監督デビュー作。脚本はマクファーソン自身が執筆したが、撮影開始を待たず95年エイズで死去した。撮影はポーランド出身で、クシシュトフ・キェシロフスキ作品で名をあげた「身代金」のピョートル・ソボシンスキ、音楽は「ピノキオ」のレイチェル・ポートマン、美術はデイヴィッド・グロップマン、編集はジム・クラーク、衣裳は「12モンキーズ」のジェリー・ワイスがそれぞれ担当。出演は「マディソン郡の橋」「判決前夜 ビフォア・アンド・アフター」のメリル・ストリープ、「ゴッドファーザー」「花嫁のパパ2」のダイアン・キートン、「太陽と月に背いて」のレオナルド・ディカプリオ、「コクーン」「カミーラ あなたがいた夏」のヒューム・クローニン、「コクーン」のグウェン・ヴァードンほか。90点 -
マイケル
制作年: 1996およそ天使らしからぬ風変わりな天使を巡る、ユニークでキュートなロマンティック・コメディ。『ナショナル・エンクワイア』紙で記者経験のあるジム・クインランと「パリス・トラウト」の原作者として知られる現代文学の騎手ピート・デクスターの原案を、「めぐり逢えたら」のノーラ・エフロンの監督・脚本・製作で映画化。脚本は彼らと監督の実妹デリアを加えた4人の共同。製作はノーラ、ショーン・ダニエル、ジェームズ・ジャックス。製作総指揮はデリアとジョナサン・D・クレイン。撮影は「マネートレイン」のジョン・リンドレイ、音楽は「トイ・ストーリー」のランディ・ニューマン、美術はダン・デイヴィス、編集はジェラルディン・ペローニ、衣裳はエリザベス・マクブライドが担当。主演は「フェノミナン」のジョン・トラヴォルタ、「ジェイン・エア」(96)のウィリアム・ハート、「フォー・ウェディング」のアンディ・マクドウェルで、彼女は劇中ですばらしい歌声も披露している。共演は「イレイザー」のロバート・パストレル、「ニクソン」のボブ・ホスキンス、「のるかそるか」のテリー・ガーほか。 -
夕べの星
制作年: 1996母と娘の33年に渡る愛を描き、第56回(83年度)アカデミー賞5部門を独占した「愛と追憶の日々」の続編。今回は60代となり、人生の後半戦を迎えたヒロイン、オーロラの姿と彼女を取り巻く人間模様が描かれる。前作に続いてラリー・マクマートリーの小説を原作に、「ファースト・ワイフ・クラブ」の脚本家ロバート・ハーリングの初監督・脚本で映画化。製作は、前作にも関与したデイヴィッド・カークパトリックと初参加のキース・サンブルズ、前作で美術を担当したポリー・プラットの共同。撮影は「フォレスト・ガンプ/一期一会」のドン・バージェス、音楽は「ティン・カップ」のウィリアム・ロス、美術は「ドライビング・ミス・デイジー」のブルーノ・ルベオ、編集はブリシラ・ネッド=フレンドリーとデイヴィッド・モリッツ、衣裳はルネ・エーリッヒ・カルファス。主演は前作に続いて「くちづけはタンゴの後で」のシャーリー・マクレーン。共演は、前作に続いて再登場する「マーズ・アタック!」のジャック・ニコルソンをはじめ、「ツイスター」のビル・パクストン、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」のジュリエット・ルイス、「カンザス・シティ」のミランダ・リチャードソン、「先生のお気に入り」のマリオン・ロス、「今そこにある危機」のドナルド・モファット、「白い嵐」のスコット・ウルフ、「花嫁のパパ2」のジョージ・ニューバーン、「白銀に燃えて」のマッケンジー・アスティン、本作が遺作となった「ラスト・ショー」のベン・ジョンソンほか。70点 -
ザ・エージェント
制作年: 1996理想主義のスポーツ・エージェントが挫折のどん底で愛する人に出会い、本当に大切なものに気づく姿を描く、ハートフルなサクセス&ラブ・ストーリー。製作・監督・脚本は「シングルス」のキャメロン・クロウ。製作はクロウ、「愛と追憶の日々」の監督ジェームズ・L・ブルックス、同作を手掛けたローレンス・マーク、リチャード・サカイの共同。撮影は「キルトに綴る愛」のヤヌス・カミンスキー。音楽は元『ローリング・ストーン』誌の編集者だった監督らしく、ダニー・ブラムソンの監修の下、ブルース・スプリングスティーン、ザ・フー、ポール・マッカートニー、ボブ・ディラン、エルヴィス・プレスリー、そして監督夫人のナンシー・ウィルソン(オリジナル・スコアも)らの多彩な楽曲が劇中に使用されている。美術は「シングルス」のスティーヴン・ラインウィーヴァー、編集は「JFK」のジョー・ハッシング、衣裳は「パルプ・フィクション」のベッツィ・ハイマン。主演は「ミッション:インポッシブル」のトム・クルーズと「エンパイア レコード」のレニー・ゼルウィガー。共演は「アウトブレイク」のキューバ・グッディングJr.、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」のケリー・プレストン、「ジュマンジ」のボニー・ハントほか。96年度(第54回)ゴールデン・グローブ賞主演男優賞(ミュージカル/コメディ部門)受賞(トム・クルーズ)、96年度(第69回)アカデミー賞助演男優賞受賞(キューバ・グッディングJr.)。70点 -
キャリア・ガールズ
制作年: 1996学生時代に親友だった二人の“キャリア・ガールズ”の現在と過去を鮮やかなタッチで綴った一編。監督・脚本は「秘密と嘘」で96年カンヌ映画祭パルム・ドールを獲得し、一躍世界で評判を得たマイク・リーで、今回も役者とのディスカッションを重ねてキャラクターをつくり上げていく独特の演出で撮影された。製作のサイモン・チャニング=ウィリアムズ、撮影のディック・ポープ、録音のジョージ・リチャーズは「秘密と嘘」に続いての参加。音楽はオリジナル・スコアを「秘密と嘘」でアカデミー助演女優賞にノミネートされたマリアンヌ・ジャン=バチストがトニー・レミーの協力を得て手掛け、80年代を代表するポップ・グループ“ザ・キュアー”の曲が画面を彩る。主演は「ネイキッド」で組んだ「奇跡の海」のカトリン・カートリッジと映画は本作がデビューとなる舞台やテレビで活躍するリンダ・ステッドマン。 -
エビータ
制作年: 1996祖国への忠誠と限りない愛の力でアルゼンチンの歴史を変えた伝説の女性、エビータことエバ・ペロンの短くも激しい生涯を描いたミュージカル映画。78年にロンドンで初演されて以来、ロンドンで2900回、ブロードウェイで1567回という記録的なロングランを重ねたアンドリュー・ロイド・ウェバー作曲、ティム・ライス作詞による同名舞台の映画化。完成までに7人の監督と7人の女優が候補に上がるなど、紆余曲折があったことでも話題になった。台詞を最小限に留め、全編の9割が歌と演奏で構成されており、作詞・作曲のコンビによって徹底的な改訂の末に5週間をかけて録音された音楽が、圧倒的な迫力。監督にはアラン・パーカーが起用され、「フェーム」「ザ・コミットメンツ」などの音楽映画、「ミッドナイト・エクスプレス」などの社会派作品と、二つのジャンルを得意とする彼の演出手腕が遺憾なく発揮されている。脚本は、パーカーと彼の前に監督に予定されていたオリヴァー・ストーンの共同(実際はパーカーの単独だという)。製作は、ロンドンで舞台の初演を手掛けたミュージカル界の大物ロバート・スティグウッドとパーカー、「ニクソン」「スカーレット・レター」のアンドリュー・G・ヴァーニャ。撮影は「魅せられて」のダリウス・コンディ、実際にエバが着用していた服を再現した衣裳は「キャリントン」「ミッション:インポッシブル」のペニー・ローズ。主演は、88年にオリヴァー・ストーンが監督候補だった時には彼と物別れに終わったものの、降番したミシェル・ファイファーに代わってヒロインの座を射止めたマドンナ。共演は「ストレンジャー」のアントニオ・バンデラス、ブロードウェイの舞台で活躍する「キャリントン」のジョナサン・プライス、イギリスの俳優で歌手、作家でもあるジミー・ネイルら。60点 -
イングリッシュ・ペイシェント
制作年: 1996第二次大戦を挟む激動の時代、二つの大陸にまたがって繰り広げられる愛のロマンを描く、官能的な映像叙事詩。世界で最も権威ある文学賞といわれるイギリスのブッカー賞を受賞したマイケル・オンダーチェの長編小説『イギリス人の患者』(邦訳・新潮社)を、「最高の恋人」のアンソニー・ミンゲラの監督・脚本で映画化。製作は「アマデウス」「存在の耐えられない軽さ」のソウル・ゼインツ、製作総指揮は「ファーゴ」のボブとハーヴェイのワインステイン兄弟、スコット・グリーンステイン。エロティックに砂漠の映像をとらえた撮影は「アメリカン・プレジデント」のジョン・シール、音楽は「愛と勇気の翼」のガブリエル・ヤーレ、衣裳は「バードケージ」のアン・ロスが担当。主演は「ストレンジ・デイズ 1999年12月31日」のレイフ・ファインズ、「ミッション:インポッシブル」のクリスティン・スコット=トーマス、「カウチ・イン・ニューヨーク」のジュリエット・ビノシュ。共演は「愛しすぎて 詩人の妻」のウィレム・デフォー、「カーマ・スートラ 愛の教科書」のナヴィーン・アンドリュース、「サークル・オブ・フレンズ」のコリン・ファース、「対決」のユルゲン・プロホノフほか。第69回アカデミー賞で監督賞、助演女優賞(ジュリエット・ビノシュ)、美術賞、撮影賞、衣裳デザイン賞、編集賞、オリジナル作曲賞、音響賞の9部門を受賞。第54回ゴールデン・グローブ賞で作品賞、オリジナル作曲賞を受賞。97年キネマ旬報外国映画ベスト・テン第5位。80点 -
ある貴婦人の肖像
制作年: 199619世紀の保守的な社会の中で、自由で誠実に生きようとした女性の冒険と苦難を描く大河ロマン。文豪ヘンリー・ジェームズ(1843~1916)の同名小説の初めての映画化。監督は「ピアノ・レッスン」のジェーン・カンピオン。脚本は「エンジェル・アット・マイ・テーブル」でもカンピオンと組んだローラ・ジョーンズ。撮影の「ワンス・ウォリアーズ」のスチュアート・ドライバラ、衣裳と美術のジャネット・パターソン、編集のヴェロニカ・ジャネットは「ピアノ・レッスン」に続いての参加。音楽は「ドラキュラ」のヴォイチェフ・キラール。主演は「誘う女」のニコール・キッドマン。共演は「愛のめぐりあい」のジョン・マルコヴィッチ、「欲望」のバーバラ・ハーシー、「愛・アマチュア」などハル・ハートリー作品で知られるマーティン・ドノヴァン、「ブロードウェイと銃弾」のメアリー・ルイーズ・パーカー、「エイジ・オブ・イノセンス」「プレタポルテ」のリチャード・E・グラント、「クリムゾン・タイド」のヴィーゴ・モーテンセン、「若草物語」のクリスチャン・ベール、「狩人の夜」などのシェリー・ウィンタース、「ポパイ」などロバート・アルトマン監督作品で知られるシェリー・デュヴァル、そして「月下の恋」英国劇壇の重鎮、サー・ジョン・ギールグッドとベテラン勢が脇を固める。 -
秘密と嘘
制作年: 1996養子として育てられた女性が実の親を探し、その家族の中に入っていくことから明かされる、家族をめぐる“秘密と嘘”……そこから生まれる新しい家族の姿と和解を描くヒューマン・ドラマ。監督は「ネイキッド」のマイク・リー。いわゆる脚本はなく、シチュエーションとシーンの羅列を記した簡素なメモから、俳優たちとの長期リハーサルでドラマが作られた。製作はリーの製作会社シンマン・フィルムのプロデューサーとして『High Hopes』以来その全作を手掛けるサイモン・チャニング=ウィリアムズ。撮影はリーとは『ライフ・イズ・スイート』(V)以来のパートナーである、「アメリカン・ダンク」などのディック・ポープ。美術のアリソン・シティ、録音のジョージ・リチャーズ、編集のジョン・グレゴリーは「ネイキッド」に引き続いての参加。出演は「リバー・ランズ・スルー・イット」のブレンダ・ブレッシン、『ライフ・イズ・スウィート』(V)に続いて3作目のリー作品への出演となる「シェルタリング・スカイ」のティモシー・スポールほか。96年カンヌ映画祭パルム・ドール、主演女優賞(シンシア・パーリー)、国際批評家連盟賞の三冠を獲得した。80点 -
ピノキオ(1996)
制作年: 1996ディズニー・アニメなどでもおなじみ、カルロ・コロディの名作童話『ピノキオ』を、SFXを駆使した実写映像で原作に忠実に映画化したファンタジー。「ベイブ」を手掛けたジム・ヘンソン・クリーチャーズ・ショップの手になる最新のアニマトロクス効果が見どころ。監督はMTV出身で「エレクトリック・ドリーム」「ミュータント・タートルズ」のスティーヴ・バロン。製作は「ジャングル・ブック」のラジュ・パテルとジェフリー・スネラー、エグゼクティヴ・プロデューサーは「ジャングル・ブック」のシャラド・パテル、ピーター・ロック、ドナルド・クシュナーの共同。音楽はスコアを「ケロッグ博士」のレイチェル・ポートマンが書き、主題歌はスティービー・ワンダーの『キス・ロンリー・グッバイ』。美術は「ショーガール」のアラン・キャメロン、衣裳は「オテロ」「ハムレット」のマウリツィオ・ミノレッティが担当。主演と声の出演に、「ライオン・キング」の吹き替えも担当した少年スターのジョナサン・テイラー・トーマスのほか、「エド・ウッド」のマーティン・ランドー、「戦慄の絆」のジュヌヴィエーヴ・ビジョルド、「キングダム」のウド・キアー、「ジュマンジ」のベベ・ニューワースらベテラン勢が脇を固める。日本語字幕版と吹替版が同時公開された。 -
花の影
制作年: 199620年代、混乱の中華民国時代、とある名家をめぐる男女の退廃的な恋愛模様を、エキゾチシズムあるれる壮麗なスケールで描くメロドラマ。監督は「さらば、わが愛/覇王別姫」のチェン・カイコーで、製作も同作で組んだシー・フンとトン・チュンニェン。カイコーとワン・アンイーの原案をもとに、「ソウル」などの作品で知られる香港の映画作家シュウ・ケイが脚本を執筆。撮影は「楽園の瑕」の名手クリストファー・ドイル。音楽は「黄色い大地」「秋菊の物語」のチャオ・イーピン。20年代の租界時代の上海を再現する大セットを建築した美術はホァン・チァグイが担当。出演は「さらば、わが愛/覇王別姫」のレスリー・チャンとコン・リー、ディヴィッド・ウーほか。 -
シベリア超特急
制作年: 1996第二次世界大戦前夜のシベリア鉄道内で起こる密室殺人事件を通して戦争の悲劇を描くミステリー。監督・製作・原作・脚本・出演はテレビの映画解説などでおなじみの映画評論家・水野晴郎で、念願の監督デビューとなった。撮影は「修羅がゆく2 戦争勃発」の安藤庄平。主演は「男はつらいよ 拝啓 車寅次郎様」のかたせ梨乃。 -
ジェイン・エア
制作年: 1996自らの運命を切り開き、幾多の障害を乗り越えて幸せを掴み取った女性の姿を描く文芸メロドラマ。シャーロット・プロンテ女史の同名の名作長編小説、6度目の映画化。監督は「ロミオとジュリエット」「ハムレット」など文芸作品を数多く手掛けているフランコ・ゼフィレッリ。衣裳は「眺めのいい部屋」(アカデミー衣裳デザイン賞)のジェニー・ビーヴァンが担当。「小さな泥棒」「メルシー・ラ・ヴィ」のシャルロット・ゲンスブールがヒロインを演じ、「ピアノ・レッスン」の演技で11歳でアカデミー助演女優賞を受賞した名子アンナ・パキンがその幼年時代を演じる。共演は「ドクター」「スモーク」のウィリアム・ハート、「野生の夜に」ノマリア・シュナイダー、「ドライビングMISSデイジー」のジョーン・ブローライト、「フォー・ウェディング」のフィオナ・ショウ、「ハワーズ・エンド」のサミュエル・ウェスト、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名優ジョン・ウッド、スパーモデルのエル・マクファーソンほか。80点 -
ファーゴ
制作年: 1996雪深いアメリカの田舎町を舞台に、ほんの手違いで単純な偽装誘拐から血生臭い殺人へと発展していく犯罪事件の顛末を描いた異色作。多彩な登場人物が織り成す、滑稽で哀しい事件を通した逆説的な人間讃歌が、えも言われぬ味わいを醸し出す。監督・脚本はイーサン・コーエン、製作・脚本はジョエル・コーエンのコーエン兄弟で、彼らの第6作に当たる。スタイリッシュな犯罪ドラマというジャンル、舞台が彼らの故郷である米中西部という2点から、ビッグ・バジェットの前作「未来は今」から一転、兄弟が原点回帰を目指した作品といえる。エグゼクティヴ・プロデューサーは「デッドマン・ウォーキング」のコンビ、ティム・ビーヴァンとエリック・フェルナー。撮影は、コーエン兄弟とは「バートン・フィンク」「未来は今」に続いて組むロジャー・ディーキンス、スカンジナビア民謡をフィーチャーした音楽は、兄弟の全作に参加しているカーター・バーウェル。美術は、ディズニーのアニメーター出身で「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」でビジュアル・コンサルタントを務めたリック・ヘインリックス、編集はロデリック・ジェインズ、衣裳は「ジム・キャリーはMr.ダマー」のメアリー・ゾフレスが担当。主演は、ジョエル・コーエンの妻で「真実の行方」のフランセス・マクドーマンド。今作で96年度アカデミー主演女優賞を受賞した。共演は「デンバーに死す時」のスティーヴ・ブシェーミ、「潜望鏡を上げろ」のウィリアム・H・メイシー、スウェーデン出身の舞台俳優で「ダメージ」などの映画出演作もあるピーター・ストーメア、「ペンチャー・ワゴン」以来25年ぶりに映画に復帰したハーヴ・プレスネルほか。第49回カンヌ国際映画祭最優秀監督賞受賞。96年度キネマ旬報外国映画ベストテン第4位。70点 -
ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合
制作年: 1996新開発の薬品の効果で、超肥満体からスリムに変身した大学教授が巻き起こす騒動を描いたコメディ。往年のコメディアン、ジェリー・ルイスの傑作喜劇「底抜け大学教授」を、「ヴァンパイア・イン・ブルックリン」のエディ・マーフィ主演(一人七役)でリメイク。監督は「エース・ベンチュラ」のトム・シャドヤック。脚本はシャドヤック、「ジム・キャリーのエースにおまかせ!」の監督でもあるスティーヴ・オーデカーク、「星の王子ニューヨークへ行く」「ブーメラン」のデイヴィッド・シェフィールドとバリー・W・ブラウステインの共同。製作は「アポロ13」のブライアン・グレイザーと、ラップ・ミュージック界の巨匠で『クラッシュ・グルーブ』(V)などの映画も手掛けるラッセル・シモンズ。エグゼクティヴ・プロデューサーは、ジェリー・ルイス、カレン・ケーラ、マーク・リプスキー。撮影は「エース・ベンチュラ」のジュリオ・マカット、音楽は「ボーイズ・オン・ザ・サイド」のデイヴィッド・ニューマン、美術はウィリアム・エリオット、編集は「幸福の条件」のドン・ジンマーマン、衣裳は「マスク」のハー・グエン、視覚効果監修はジョン・ファーハット、特殊メイクは「バットマン・フォーエヴァー」のリック・ベイカーが担当。共演は「ポケットいっぱいの涙」のジェイダ・ピンケット、「イレイザー」のジェームズ・コバーンほか。90点 -
ドラゴンハート
制作年: 1996中世ヨーロッパを舞台に、騎士とドラゴンが力を合わせて、悪政を敷く王と戦うヒロイック・ファンタジー。CGIで作られたドラゴンと人間が同一画面に自然に収まっており、SFXの巧みさがみごと。監督は「ドラゴン ブルース・リー物語」のロブ・コーエン。脚本は「ザ・フライ」のチャールズ・エドワード・ポーグ、製作は「キングコング(1976)」などのラファエラ・デ・ラウランティス。撮影は「マッドマックス」のデイヴィッド・エグビー、音楽は「悪魔のような女」(96)のランディ・エデルマン、美術はベンジャミン・フェルナンデス。ドラゴンのデザインは「ロボコップ」シリーズのフィル・ティペットが手掛け、「ジュラシック・パーク」「マスク」のスコット・スキヤーズ率いるI.L.M.が特殊視覚効果を担当。主演は「ワイアット・アープ」のデニス・クエイドで、ドラゴンの声の出演は「理由」のショーン・コネリーが務めている。共演は「ネイキッド」のデイヴィッド・シューリス、「ユージュアル・サスペクツ」のピート・ポスルスウェイト、10年ぶりのスクリーン復帰となる「ドクトル・ジバゴ」のジュリー・クリスティほか。40点 -
バードケージ
制作年: 19962組のおかしな家族が繰り広げるハートウォーミング・コメディ。出演者たちのアドリブ続出のコメディ演技が見どころ。パリの舞台でロングラン・ヒットとなり、78年には「Mr.レディ Mr.マダム」として映画化もされたジャン・ポワレの戯曲を、「ワーキング・ガール」「ウルフ」のマイク・ニコルズの製作・監督で再映画化。脚本は、彼の学生時代からの演劇仲間で、映画はこれが初のコンビとなる「天国から来たチャンピオン」のエレイン・メイ。エグゼクティヴ・プロデューサーはニール・マクリスとマルチェロ・ダノン。撮影は「雲の中で散歩」のエマニュエル・ルベスキ、美術は「シザーハンズ」のボー・ウェルチ、衣裳は「サブリナ」のアン・ロス。音楽はジョナサン・チュニックがスコアの作曲と編曲を手掛け、ライブ・ミュージックの編曲・監修はスティーヴン・ゴールドスタイン、絢爛たるショーの振り付けはマドンナやマイケル・ジャクソンのステージを手掛けるヴィンセント・パターソンが担当。出演は「9か月」のロビン・ウィリアムズ、「ジェフリー!」のブロードウェイの名優ネイサン・レイン、「ゲット・ショーティ」のジーン・ハックマン、「ブロードウェイと銃弾」のダイアン・ウィースト、「フィッシャー・キング」のダン・ファターマン、「クイズ・ショウ」のカリスタ・フロックハートほか。 -
バルト
制作年: 1996雪に閉ざされた町を救った犬ゾリチームの実話を基に、狼と犬の混血犬の活躍を描いたアドヴェンチャー・アニメ。監督はCM界出身で「ロジャー・ラビット」などにスタッフとして参加したサイモン・ウェルズ。製作は「ロジャー・ラビット」のスティヴ・ヒックナー、エグゼクティヴ・プロデューサーはアンブリン・エンターテインメントの総帥スティーヴン・スピルバーグと、その一員キャスリーン・ケネディ、ポール・ラドフォード。脚本はクリフ・ルビーとエレーナ・レッサーの原案を、二人と本作がデビューのデイヴィッド・スティーヴン・コーエン、ロジャー・S・H・シュルマンの共同で執筆。音楽は「ジュマンジ」のジェームズ・ホーナー。声の出演は「激流」のケヴィン・ベーコン、「アサシン」のブリジット・フォンダ、「ロジャー・ラビット」「ニクソン」のボブ・ホスキンス、ロック・アーティストで「バスター」では主演もしているフィル・コリンズほか。日本語吹き替え版も上映され、俳優の柴田恭兵らが出演。80点 -
ティン・カップ
制作年: 1996挫折したゴルファーが、愛する女性のために再生を賭けて全米オープンに挑戦する姿を描いたラブ・ストーリー。主演は「ボディガード(1992)」以来5年ぶりに恋愛ものに挑んだケヴィン・コスナーで、代役は一切なしでこなした見事なスウィングが見もの。監督は、コスナーとは「さよならゲーム」で組み、「ハード・ウェイ」「タイ・カップ」とスポーツ映画を得意とするロン・シェルトンがあたった。脚本は、ゴルフ仲間であるシェルトンとジョン・ノーヴィルの共同。製作はゲイリー・フォスターとデイヴィッド・レスター、エグゼクティヴ・プロデューサーは「コピーキャット」のアーノン・ミルチャン。撮影は「タイ・カップ」のラッセル・ボイド、音楽は「フォレスト・ガンプ 一期一会」などの編曲を手掛けたウィリアム・ロス、美術はジェームズ・D・ビッセル、編集はポール・セイダーとキンバリー・レイ。共演は「ゲット・ショーティ」のレネ・ルッソ、「ギルティ 罪深き罪」のドン・ジョンソン、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」のチーチ・マリンほか。90点 -
デイライト
制作年: 1996海底トンネルの大事故に遭遇した人々と、彼らの救出に向かった元救助隊員の決死のサバイバルを描いたパニック・アクション超大作。監督は「ドラゴンハート」のロブ・コーエンで、エグゼクティヴ・プロデューサーのラファエラ・デ・ラウレンティス、撮影のデイヴィッド・エグビー、音楽のランディ・エデルマン、美術のベンジャミン・フェルナンデス、編集のピーター・アマンドソン、衣裳のトーマス・キャスターライン、特殊効果・メカニカル効果のキット・ウェストはコーエンの前作に続いて参加。脚本は「エルム街の悪夢5 ザ・ドリーム・チャイルド」のレスリー・ボーム。製作は「戦火の勇気」のジョン・デイヴィスとジョゼフ・M・シンガー、デイヴィッド・T・フレンドリーの共同。視覚効果監修は「キャスパー」のスコット・ファーラーとジョー・レッテリがつとめ、彼らの所属するILMが担当。主題歌はブルース・ロバーツとドナ・サマーのデュエットによる『Whenever There is Love』。主演は「暗殺者」のシルヴェスター・スタローン。共演は「ヒート」のエイミー・ブレネマン、「ライジング・サン」のスタン・ショウ、「カリートの道」のヴィーゴ・モーテンセン、「ウッディ・アレンの重罪と軽罪」のクレア・ブルーム、「クルーレス」のダン・ヘダヤ、そして「ロッキー5」にも出演したスタローンの実子、セイジ・スタローンほか。80点 -
素顔のままで
制作年: 1996人気ストリッパーが巻き込まれた事件の顛末を描いた、オフ・ビートなユーモア・ミステリー。カール・ハイアセンの長編小説『ストリップティーズ』(邦訳・扶桑社ミステリー文庫)を、「ハネムーン・イン・ベガス」「あなたに降る夢」などコメディを得意とするアンドリュー・バーグマンの監督・脚本で映画化。製作は彼とコンビのマイク・ロベル。撮影は「バットマン・フォーエヴァー」のスティーブン・ゴールドブラット、美術は「フィッシャー・キング」のメル・ボーン、編集はアン・V・コーツ、衣裳は「オール・ザット・ジャズ」のアルバート・ウォルスキー。音楽は、「セブン」「ジャンクション」のハワード・ショアがスコアを書き、ジョエル・シルの総指揮の下、チャイナ・フィリップス、カラー・ミー・バッド、アニー・レノックス、ユーリズミックスらが楽曲を提供。主演は「陪審員」「スカーレット・レター」のデミ・ムーアで、1250万ドルという女優として過去最高のギャラが話題を呼んだ。彼女は撮影前には体重が55kg以上もあったが、ハードなトレーニングでシェイプアップし、そのセクシーな肢体で踊るストリップ・ダンスが見どころ。共演は「ザ・プレイヤー」のバート・レイノルズ、「ジャッジ・ドレッド」のアーマンド・アサンテ、「ダイ・ハード2」のロバート・パトリック、「ミッション:インポッシブル」のヴィング・レイムス、巨乳ストリッパー兼モデルとして有名なパンドラ・ピークスらに加え、デミの7歳になる実娘ルーマー・ウィリスが、彼女の娘役でデビューしている。70点 -
評決のとき
制作年: 1996人種差別問題が絡んだ事件の裁判を通して、正義と真実の問題に取り組む人々の姿を描いたサスペンス・タッチのヒューマン・ドラマの感動作。「ペリカン文書」「依頼人」などのベストセラー作家、ジョン・グリシャムが新米弁護士時代の体験に基づく処女小説(邦訳・新潮文庫)を、自ら製作も兼ねて映画化。これまでのグリシャム映画と同様、法廷サスペンスのスタイルを取りながらも、重いテーマをエンターテインメントと両立させる手腕が見事。監督には原作者自身に指名によって「依頼人」のジョエル・シュマッカーが再登板し、脚本も同作のアキヴァ・ゴールズマン。製作は「ヒート」のアーノン・ミルチャン、「依頼人」のマイケル・ネイサンソン、グリシャムの共同。撮影は「ダイ・ハード3」のピーター・メンジーズ・ジュニア、音楽は「バットマン・フォーエヴァー」のエリオット・ゴールデンサル、美術は「フォーリング・ダウン」のラリー・フルトン、編集は「ザ・ファーム 法律事務所」のウィリアム・スタインカンプ、衣裳は「依頼人」のイングリット・フェリン。主演には「ボーイズ・オン・ザ・サイド」の新星マシュー・マコノヒーが大抜擢され、「ダイ・ハード3」のサミュエル・L・ジャクソン、「恋する泥棒」のサンドラ・ブロック、「ユージュアル・サスペクツ」「セブン」のケヴィン・スペイシー、「アウトブレイク」のドナルド・サザーランド、「三銃士(1993)」のキーファー・サザーランドとオリヴァー・プラット、「ヒート」のアシュレイ・ジャッドら多彩な顔ぶれも見もの。87点- 感動的な
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真実の行方
制作年: 1996野心家の弁護士が担当した、ある事件の顛末を描く法廷サスペンス。意外性に富んだストーリーの妙と、それを生かす巧みな演出と演技が見もの。「シャーキーズ・マシーン」の原作者として知られる作家ウィリアム・ディールの同名長編小説(福武文庫・刊)を、「ハッスル」「シシリアン」のベテラン、スティーヴ・シェイガンと「コピーキャット」のアン・ビダーマンが4年がかりで脚色。監督には『ヒルストリート・ブルース』『L.A. Low/7人の弁護士』『NYPD/ブルー』などのTVドラマシリーズを手掛け、これが初の劇場用映画となるグレゴリー・ホブリットが当たった。製作のゲイリー・ルチェシとエグゼクティヴ・プロデューサーのハワード・W・コッチ・ジュニアは、「バーチュオシティ」のコンビ。撮影は「ライジング・サン」のマイケル・チャップマン、音楽は「ウォーターワールド」「陪審員」のジェームズ・ニュートン・ハワード、美術はジャニーヌ・クラウディア・オップウォール。編集はホブリットのTV時代からのコンビであるデイヴィッド・ローゼンブルーム、衣裳は「あなたが寝てる間に…」のベッツィ・コックスがそれぞれ担当。主演は「トゥルーナイト」のリチャード・ギア。共演は「コンゴ」のローラ・リニー、レオナルド・ディカプリオに決まりかけた役を射止めて本作でデビューしたエドワード・ノートン、「ザ・シークレット・サービス」のジョン・マホニー、「キルトに綴る愛」のアルフレ・ウッダード、「ファーゴ」のフランセス・マクドーマンドほか。70点 -
ジングル・オール・ザ・ウェイ
制作年: 1996愛する息子の信頼を勝ち取るため、クリスマス・プレゼント用の人形探しに奔走する父親の奮戦ぶりを描いたコメディ。ファミリー映画の手練たちによるアイディアいっぱいのギャグや、主演のアーノルド・シュワルツェネッガーと相手役のシンバットの巨漢同士のスラップスティック調アクション、ど派手なSFXシーンが笑いを誘う。監督は実際にトイ・コレクターでもある「ベートーベン」「フリント・ストーン モダン石器時代」のブライアン・レヴァント。製作はTV版『パワーレンジャー』に関わったランディ・コーフィールド。製作は「9か月」のクリス・コロンバス、マーク・ラドクリフ、マイケル・バーナサンの共同で、前作で彼らが設立した映画製作会社1492ピクチャーの第2作となる。エグゼクティヴ・プロデューサーは「ホーム・アローン2」「赤ちゃんのおでかけ」のリチャード・ヴェイン。撮影は「エディー 勝利の天使」のヴィクター・J・ケンパー、音楽は「ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合」のデヴィッド・ニューマン、美術は「フォレスト・ガンプ 一期一会」などの美術監督をつとめたレスリー・マクドナルド、編集は「フリント・ストーン モダン石器時代」「フレンチ・キス」のケント・ビーダ、衣裳は「9か月」のジェイ・ハーレイ。スタント・コーディネーターは「プレデター」から「イレイザー」までを手掛けシュワルツェネッガーとは名コンビのジョエル・J・クレイマー、クライマックスの飛行シーンの特殊視覚効果監修は「スーパーマン」のボブ・ハーマン、「ロケッティア」のジョン・G・ベリューとマイク・キャメロンがそれぞれ担当。主演は「ジュニア」「イレイザー」のアーノルド・シュワルツェネッガー。共演は「コーンヘッズ」『ハウスゲスト/あんただ~れ?』(V)などの出演作がある黒人コメディアンのシンバッド、TV『サタデー・ナイト・ライブ』の人気コメディアンで、同じく前記2作にも出演したフィル・ハートマン、「Dearフレンズ」のリタ・ウィルソン、「シークレット・レンズ」のロバート・コンラッド、「レッドブル」「ラスト・アクション・ヒーロー」でもシュワルツェネッガーと共演したジェームズ・ベルーシ、「ミルドレッド」やTV『ER』で注目の子役ジェイク・ロイドほか。80点 -
ザ・ロック
制作年: 1996猛毒の神経ガス・ロケット弾を奪ってアルカトラズ島を占拠したテロリスト集団と、密命を帯びて島に潜入した2人の男の戦いを描いたアクション大作。スリリングなストーリー、大がかりなアクション、主演の3人の男優の好演など見どころは多い。「ホーリー・ウェディング」のデイヴィッド・ウェイスバーグとダグラス・S・クックの原案を基に、彼らとこれがデビューとなるマーク・ロスナーが共同で脚本を執筆。監督に前作「バッドボーイズ(1995)」でデビューし、注目されたマイケル・ベイが抜擢された。製作は「クリムゾン・タイド」「バッドボーイズ」などのヒットメーカー・コンビ、ドン・シンプソンとジェリー・ブラックハイマーで、95年に他界したシンプソンの遺作となった。エグゼクティヴ・プロデューサーはウィリアム・スチュアート、ルイス・A・ストローサー、主演のショーン・コネリーの共同。撮影は「ハードロック・ハイジャック」のジョン・シュワルツマン、音楽は「9か月」のニック・グレニー・スミスと「デンジャラス・マインド 卒業の日まで」のハンス・ジマー、美術は「クリムゾン・タイド」のマイケル・ホワイト、編集は「セブン」のリチャード・フランシス・ブルース、衣裳は「バッドボーイズ」のボビー・リード。特殊効果コーディネーターは「ツイスター」のマイケル・メイナーダス、特殊視覚効果はドリーム・クエスト・イメージスが担当。主演は「理由」のショーン・コネリー、「リービング・ラスベガス」のニコラス・ケイジ、「ニクソン」のエド・ハリス。共演は「トゥームストーン」のマイケル・ビーン、「12モンキーズ」のデイヴィッド・モース、「デンバーに死す時」のウィリアム・フォーサイス、「彼と彼女の第2章」のジョン・スペンサー、共に舞台で活躍し、これが映画デビューとなったクレア・フォーラーニとヴァネッサ・マーシルほか。70点 -
ザ・ファン
制作年: 1996人気野球選手への過剰な思い入れのあまり、次々と異常な行動を重ねていく男の犯罪を描いたサイコ・スリラー。売れっ子サスペンス作家、ピーター・エイブラハムズ初の映画化で、彼の同名長編小説(邦訳・早川書房)を、米NBCの人気TVドラマシリース『チアーズ』のフォフ・サットンが脚色。監督には「クリムゾン・タイド」のトニー・スコットがあたり、撮影のダリウス・ウォルスキー、音楽のハンス・ジマーも同作に続いての参加。製作は「フォレスト・ガンプ 一期一会」のウェンディ・ファイナーマン、エグゼクティヴ・プロデューサーはビル・アンガー、ジェームズ・W・スコッチドポール、バリー・M・オズボーンの共同。美術はアイダ・ランダム、編集はクリスチャン・ワグナーとクレール・シンプソンの共同。服装の変化が犯人の心理の移り変わりを表しているという衣裳デザインは、「カジノ」に続いてデ・ニーロの衣裳を担当するリタ・ライアックと、ダニエル・オルランディ。また、連続出場の世界記録を達成した大リーガーのカル・リプケン・ジュニアがテクニカル・アドバイザーを務めたほか、95年までフィリーズで活躍したジョン・クラックが5番打者役で出場しているのをはじめ、プロ選手が多数出演しているのも話題に。主演は「カジノ」「ヒート」のロバート・デ・ニーロと「マネートレイン」のウェズリー・スナイプス。共演は「ボーイズ・ライフ」に続いてデ・ニーロと共演となるエレン・バーキン、「3人のエンジェル」のジョン・レグイザモ、「ユージュアル・サスペクツ」のベニチオ・デル・トロほか。70点 -
魅せられて(1996)
制作年: 1996イタリア、トスカーナ地方を舞台に、19歳のアメリカ人の少女のひと夏の体験を描く青春映画。監督は「シェルタリング・スカイ」「リトル・ブッダ」のベルナルド・ベルトルッチで、『ある愚か者の悲劇』(V、81)以来、15年ぶりに故国イタリアに戻って監督したことも話題に。製作はベルトルッチとは「ラストエンペラー」以来のパートナーであるジェレミー・トーマス。ベルトルッチ自身の原案をもとに、小説家スーザン・ミノーが初の映画脚本を執筆。撮影は「暗殺のオペラ」(70)以来のコンビ、ヴィットリオ・ストラーロに代わって、「セブン」のダリウス・コンディが担当。音楽は「ロッキー・ホラー・ショー」のリチャード・ハートレイ。美術は「シェルタリング・スカイ」のジャンニ・シルヴェストリ。編集は「リトル・ブッダ」のピエトロ・スカリア。衣裳は「さすらいの二人」などのルイーズ・スターンスワードで、ワードローブ提供はジョルジョ・アルマーニ。録音は「ラストエンペラー」(アカデミー賞受賞)以来の仲のアイヴァン・シャーロック。主演はヒロインにモデル出身のリヴ・タイラー。本作のためオーディションで選ばれ、実質的にメジャー・デビュー。共演は「ダイ・ハード3」のジェレミー・アイアンズと、その夫人で「尼僧の恋」などのシニード・キューザック、「スターダスト」のドナル・マッキャン、「オルフェ」の名優ジャン・マレー、「1900年」以来のベルトルッチ映画復帰となるステファニア・サンドレッリなどが顔を揃える。 -
ミッション:インポッシブル
制作年: 1996不可能な任務に挑むスペシャリストの活躍を描いたスパイ・アクション大作。TVドラマ『スパイ大作戦』(66~73)を基に、主演のトム・クルーズが初の製作も兼ね、映画化権の交渉から3年に及ぶ準備期間を経て、自身のプロダクション〈クルーズ‐ワグナー・プロ〉の第1回作品として完成させた。監督は「カリートの道」のブライアン・デ・パルマ。「今そこにある危機」のスティーヴン・ザイリアンと「カリートの道」のデイヴィッド・コープの原案を、コープとクルーズ主演の「ザ・ファーム 法律事務所」のロバート・タウンが共同で脚色。製作はクルーズとパートナーのポーラ・ワグナー、エクゼクティヴ・プロデューサーは「トゥルーナイト」のポール・ヒットコック。撮影は「カリートの道」など、監督とは6作目となるスティーブン・H・ブラム、美術は「生きてこそ」のノーマン・レイノルズ、編集は「レイジング・ケイン」など、監督とは10本目となる「アイ・ラブ・トラブル」のポール・ハーシュ、衣裳は「心の地図」のペニー・ローズ、特殊メイクは「セブン」のロブ・ボッティンが担当。音楽は「バットマン リターンズ」のダニー・エルフマンがスコアを書き、ロックグループ〈U2〉のアダム・クレイトンとラリー・ミューレンがアレンジ・演奏したTV版のテーマ曲(ラロ・シフリン作曲)を使用している。主演は「インタヴュー・ウィズ・ヴァンパイア」のトム・クルーズ。共演は「ヒート」のジョン・ヴォイト、「とまどい」のエマニュエル・ベアール、「フレンチ・キス」のジャン・レノ、「湖畔のひと月」のヴァネッサ・レッドグレーヴほか。また、エミリオ・エステヴェスがノー・クレジットで友情出演している。84点- 手に汗握る
- おしゃれな
- かっこいい
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ケーブルガイ
制作年: 1996ストーカーまがいのケーブルガイ(ケーブルテレビ設置工)につきまとわれるヤッピー青年の悪夢を描いたブラック・コメディ。なお、ケーブルガイとはケーブルテレビ設置工以外に、仕事ぶりの雑さ(部屋を散らかす、時間を守らないなど)から、“いい加減なヤツ”“迷惑なヤツ”の意味もある。監督は「リアリティ・バイツ」のベン・スティラー。製作は主演のジム・キャリーのスタンダップ・コメディアン時代からの盟友のジャド・アパトウと「ウォーターワールド」のアンドリュー・リクトとジェフリー・ミュラーのコンビ、エグゼクティヴ・プロデューサーはブラッド・グレイ、バーリン・ブリスタイン、マーク・ガーヴィッツ。脚本は新鋭のルー・ホルツ・ジュニアの原案を基にアパトウが執筆。撮影は「好きと言えなくて」のロバート・ブリンクマン、音楽は「ユージュアル・サスペクツ」のジョン・オットマン、美術はシャロン・シーモア、編集はスティーヴン・ワイズバーグがそれぞれ担当。主演は「ジム・キャリーのエースにおまかせ!」のジム・キャリー。共演は「ケロッグ博士」のマシュー・ブロデリックほか。90点 -
インデペンデンス・デイ
制作年: 1996地球を侵略せんとする異星人と人類の3日間の攻防を描き、世界各地で大ヒットしたSFパニック超大作。ミニチュア・ワークをはじめとする伝統的な手法と最新のデジタル技術を組み合わせたSFXを駆使し、数千人のエキストラを動員したスペクタクル場面の迫力が圧巻。古典的なプロットを現代に再生したのは、「ユニバーサル・ソルジャー」「スターゲイト」の監督ローランド・エメリッヒと製作ディーン・デヴリンのコンビで、脚本も2人の共同。エグゼクティヴ・プロデューサーはエメリッヒ、彼の実妹ウテ・エメリッヒ、「ハンテッド」のウィリアム・フェイ。撮影のウォルター・リンデンローブ、美術のオリヴァー・スコールとパトリック・タトポロス、音楽のデイヴィッド・アーノルド、衣裳のジョゼフ・ポロは前作「スターゲイト」に続いての参加。世界各国の混成チームのSFX陣をまとめた視覚効果監修は、ドイツ時代からのエメリッヒの盟友で「MOON<ムーン>44」「ユニバーサル・ソルジャー」を手掛けたフォルカー・エンゲルと、「バットマン・フォーエヴァー」のダグラス・スミス。出演は「バッドボーイズ(1995)」のウィル・スミス、「あなたが寝てる間に…」のビル・プルマン、「9か月」のジェフ・ゴールドブラム、「スニーカーズ」のメアリー・マクドネル、「旅立ちの時」のジャド・ハーシュ、「アイ・ラブ・トラブル」のロバート・ロッジア、「ラストダンス」のランディ・クエイド、テレビ・シリーズ『新スタートレック』でのアンドロイドのデータ役で知られる「ジェネレーションズ」のブレント・スパイナー、「コピーキャット」のハリー・コニック・ジュニアほか多彩な顔ぶれ。80点 -
八日目
制作年: 1996エリート・ビジネスマンがダウン症の青年との奇妙な友情を通じて人生の本当の意味を学ぶ様を描いたファンタジー。監督・脚本・台詞は「トト・ザ・ヒーロー」でカンヌ映画祭新人監督賞に輝いたベルギーのジャコ・ヴァン・ドルマルで、彼の長編第2作。製作はフィリップ・ゴドー。撮影の「カストラート」のワルテル・ヴァン・デン・エンデ、監督の実兄で音楽のピエール・ヴァン・ドルマル、美術のユベール・プイユ、編集のスザナ・ロスベール、録音のドミニク・ヴァルニエは「トト・ザ・ヒーロー」に続いての参加。出演は「フランスの女」のダニエル・オートゥイユ、実際にダウン症患者で、障害者の劇団で活躍し、「トト・ザ・ヒーロー」にも出演しているパスカル・デュケンヌ、「僕は、パリに恋をする」のミュウ=ミュウほか。96年カンヌ国際映画祭で、オートゥイユとデュケンヌが二人で主演男優賞をダブル受賞。70点 -
101
制作年: 1996ディズニー・アニメの名作「101匹わんちゃん大行進」(61)を、実写でリメイクしたファミリー・コメディ。「エース・ベンチュラ」などを手掛けた名動物トレーナーのゲイリー・ゲローが訓練を重ねた総勢200匹もの犬たちの名演と主演のグレン・クローズの怪演の対決が見もの。監督は「陽のあたる教室」のスティーヴン・ヘレク。脚本は「ホーム・アローン」シリーズのヒットメーカー、ジョン・ヒューズ。製作はヒューズとリカルド・メストレス、製作総指揮はエドワード・S・フェルドマン。撮影は「ジャッジ・ドレッド」のエイドリアン・ビドル、音楽のマイケル・ケイメンと編集のトゥルーディ・シップは「陽のあたる教室」に続いての参加。美術は「ロブ・ロイ ロマンに生きた男」のアシュトン・ゴートン、衣裳は「フック」のアンソニー・パウエルと、ローズマリー・バロウズ。動物たちの危険で難しいシーンにはSFXが使われ、「ベイブ」のジム・ヘンソンズ・クリーチャー・ショップと「ツイスター」のILMが担当。主演は「ジキル&ハイド」のグレン・クローズ、「チャタレイ夫人の恋人」のジョエリー・リチャードソン、「グース」のジェフ・ダニエルズほか。日本語吹替版も同時公開。80点 -
ラブ・アンド・ウォー
制作年: 1996文豪アーネスト・ヘミングウェイと、第一次大戦下のイタリアで彼と出会った看護婦の運命的な愛を描いた感動作。ヘミングウェイの小説『武器よさらば』のモデルになった女性の実話をつづったヘミングウェイの盟友ヘンリー・ウィラードの回想録『Hemingway in Love and War 』を、「ガンジー」「遠すぎた橋」「チャーリー」など実録ものを得意とするリチャード・アッテンボローの監督・製作で映画化。脚本はアラン・スコット、クランシー・シーガル、アンナ・ハミルトン・フェランの共同。製作はヴィラードとアッテンボロー、製作総指揮はサラ・ライシャー。撮影は「12モンキーズ」のロジャー・プラット、音楽は「大地と自由」のジョージ・フェントン、美術のスチュアート・クレイグ、編集のレスリー・ウォーカーは「永遠の愛に生きて」に続いてアッテンボロー作品に参加。衣裳は「エビータ」のペニー・ローズ。主演は「スピード2」のサンドラ・ブロックと「バットマン&ロビン」のクリス・オドネル、「夕べの星」のマッケンジー・アスティン。 -
悪魔のような女(1996)
制作年: 1996暴力的な男を妻と愛人が共謀して殺した事件の顛末を、二転三転するプロットとショック演出の多用で綴ったサスペンス・スリラー。アルフレッド・ヒッチコックと並ぶサスペンス映画の巨匠、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督で55年に映画化されたフランス推理小説界の重鎮、ピエール・ボワロー&トマ・ナルスジャックの小説『悪魔のような女』(ハヤカワ・ミステリ文庫刊)を、米仏の3大女優の共演で再映画化。監督には「ナショナル・ランプーン クリスマス・バケーション」「妹の恋人」の新鋭ジェレマイア・S・チェチック。脚本は「ルームメイト」のドン・ルース。製作は「マルコムX」のマーヴィン・ワースと、モーガン・クリークの主宰者で「メジャーリーグ」シリーズのジェームズ・G・ロビンソン。エクゼクティヴ・プロデューサーは、ゲイリー・バーバー、ビル・トッドマン・ジュニア、ジェリー・オフセイ、チャック・ビンダーの共同。撮影は「ブラック・ローブ」のピーター・ジェームズ、音楽は「エンジェルス」のランディ・エデルマン、美術は「キルトに綴る愛」のレスリー・ディリー。主演は「カジノ」のシャロン・ストーン、「王妃マルゴ」のイザベル・アジャーニ、「どんな時も」のキャシー・ベイツ。共演は「ユージュアル・サスペクツ」のチャズ・パルミンテリ、「ザ・ペーパー」のスポルディング・グレイ、TVドラマ『シカゴ・ホープ』のアラン・ガーフィールドほか。 -
シャイン
制作年: 1995ピアノの天才少年と呼ばれ、一度は精神を病みながら、ハンディキャップを越えて復帰した実在のピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴッドの半生を基に描く感動の音楽ドラマ。監督はテレビのドキュメンタリー出身のスコット・ヒックス。製作はジェーン・スコット。ヘルフゴッド夫妻に取材したヒックスの原案を基に、ジャン・サルディが脚本を執筆。音楽はデイヴィッド・ヒルシュフェルダーで、ピアノ演奏はヘルフゴット自身によるもの。出演は成人したデイヴィッド・ヘルフゴット役を23年間舞台での俳優・演出のキャリアを持つジェフリー・ラッシュ、10代を「ペテルブルグ幻想」のノア・テイラー、幼年期をアレックス・ラファロヴィッツが演じた。共演は父親役に「ホーリー・ウェディング」のアーミン・ミューラー=スタール、「ある貴婦人の肖像」の名優ジョン・ギールグッド、「ジョージー・ガール」のリン・レッドグレイヴほか。97年キネマ旬報外国映画ベスト・テン第3位。82点 -
リスボン物語
制作年: 1995リスボン市がモチーフの映画を、という同市の依頼にヴィム・ヴェンダース監督が応じた作品。製作はポルトガル映画界の重鎮、「階段通りの人々」のパウロ・ブランコと「時の翼にのって ファラウェイ・ソー・クロース!」のウルリッヒ・フェルスベルク。脚本も監督が執筆し、夫人のドナタ・ヴェンダースがそれをまとめる編集に当たった。撮影は「ポケットいっぱいの涙」のリザ・リンスラー。美術は「ことの次第」でも同監督と組んだパウロ・ブランコの子息ゼー・ブランコ。編集は「時の翼にのって ファラウェイ・ソー・クロース!」まで同監督の作品をほとんど手掛け、ドキュメンタリー映画作家としても活躍するペーター・プルツィゴッダとアンヌ・シュニーの共同。出演は同監督の常連リュディガー・フォーグラーが「時の翼にのって ファラウェイ・ソー・クロース!」に続く5度目のフィリップ・ヴィンター役、また映画監督フリッツ・モンロー役に「ことの次第」で同じ人物を演じた「チューズ・ミー」などのパトリック・ボーショウがそれぞれ扮する。音楽は「ベルリン・天使の詩」のユルゲン・クニーパーがスコアを書き、昨今国際的な注目を集めるポルトガルの民族音楽ファドのバンド、マドレデウスが音楽を担当(オリジナルを9曲)し、彼ら自身の役で出演。ヴォーカルのテレサ・サルゲイロは本作品中の紅一点のヒロインとして華を添えている。さらに「階段通りの人々」の巨匠マノエル・デ・オリヴェイラ監督がゲストで登場している。 -
007/ゴールデンアイ
制作年: 1995殺しの許可証を持つ英国情報部員ジェームズ・ボンドの活躍を描く〈007〉シリーズ第17作。5代目ボンド役に「ライブ・ワイヤー」「テロリスト・ゲーム」のピアース・ブロスナンを迎え、世界を股にかけた活躍が描かれる。監督はテレビドラマ『刑事ロニー・クレイブン』や「ノー・エスケイプ」のマーティン・キャンベル。「クリフハンガー」のマイケル・フランスの原案を、「コールド・ルーム」のジェフリー・ケインと、作家のブルース・フィアスティンが脚色。製作は「私を愛したスパイ」以降の全作に携わっているマイケル・G・ウィルソンと、シリーズの産みの親アルバート・R・ブロッコリの娘バーバラ。撮影はキャンベルとは3作目のフィル・メヒュー、美術は本シリーズ15作や「トゥルーライズ」を手掛けたピーター・ラモント。音楽は「レオン」などリュック・ベッソン作品で知られるエリック・セラ。特殊効果は「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のクリス・コーボールド、ミニチュア・エフェクト監修は、本シリーズや「バットマン」のデレク・メディングスで、彼の遺作となった。共演は「パトリオット・ゲーム」のショーン・ビーン、スウェーデンの人気シンガーのイザベラ・スコルプコ、オランダ出身の女優兼モデルのファムケ・ヤンセン、「コンゴ」のジョー・ドン・ベイカー、「バッドボーイズ」のチェッキー・カリョら。80点 -
愛のめぐりあい
制作年: 1995イタリアとフランスの四つの土地に四つの愛の物語を描くオムニバス映画。監督は「さすらい」「赤い砂漠」など、60年代ヨーロッパ映画のモダニズムをリードした巨匠ミケロンジェロ・アントニオーニ。「ある女の存在証明」完成後脳卒中で倒れ、言語障害と右半身不随で再起が絶望視されていたが、「リスボン物語」のヴィム・ヴェンダースを補佐役に、13年ぶりの新作実現となった。ヴェンダースはスチル写真家としてアントニオーニに付き添いながら補佐、そして四つの挿話をつなぐ部分を演出。アントニーニを補佐して夫人のエンリカ・アントニーニがエグゼクティヴ・コンサルタントをつとめている(小さな役で出演も)。脚本はアントニオーニの短編小説集『Quel Bowling sul Tevere(あのテヴェレ河のボーリング、83年セッテンブリーニ・メストレ文学賞受賞)』からの四つの物語を基にアントニオーニ、ヴェンダース、トニーノ・グエッラが執筆。グエッラはアントニオーニの「夜」をはじめ、彼の作品を多数手掛けた現代イタリアを代表する脚本家。音楽はルチオ・ダラ、「都市とモードのビデオノート」「時の翼に乗って」のローラン・プチガン、ヴァン・モリソン、U2がブライアン・イーノと組んだ“パッセンジャーズ”(「さすらいの二人」の原題にちなんで命名された)。ヴェンダース演出のプロローグ、幕間、エピローグ部分は、撮影が「パリ、テキサス」「デッドマン」のロビー・ミューラー、編集がヴェンダースの全作を手掛けているペーター・ブルジコッダ。出演は仏、伊、米、スペインの新旧大スターが顔をそろえる。アントニオーニ自身を思わせる旅する映画監督には「メフィストの誘い」のジョン・マルコヴィッチ。第1話にはイタリアの若手人気スターのキム・ロッシ=スチュアートと、カルロス・サウラの「エル・ドラド」の子役で雑誌『エル』のモデルからアントニオーニが抜擢したイネス・サストル。第2話は「ブレイブハート」のソフィー・マルソー。第3話には「愛の報酬」のファニー・アルダンと「夜ごとの夢・リニア幻想譚」のキアラ・カッゼリ、「ニューエイジ」のピーター・ウェラー、「レオン」のジャン・レノ。第4話は「ふたりのヴェロニカ」「トリコロール/赤の愛」のイレーヌ・ジャコブと「恋人たちのアパルトマン」のヴァンサン・ペレーズ。そして第3話と第4話の幕間には「夜」「こうのとり、たちずさんで」の主演コンビ、「プレタポルテ」のマルチェロ・マストロヤンニと「心の地図」のジャンヌ・モローが特別出演。ちなみに、挿話のタイトルは原作の短編によるが、映画のなかでは一切言及はない。舞台となるのはアントニオーニの出身地フェラーラ、イタリアのリゾート港町ポルトフィーノ、パリ、南仏のエクス・アン・プロヴァンス。95年ヴェネチア映画祭国際批評家連盟賞受賞。 -
ネオン・バイブル
制作年: 1995アメリカ南部、宗教と因習に縛られたバイブル・ベルトと呼ばれる町の人間模様を、少年の目を通して描いた一編。監督は「遠い声、静かな暮らし」のテレンス・デイヴィス。脚本はピューリッツァー賞受賞作家ジョン・ケネディ・トールが16歳で書き、死後発見された同名小説を原作にデイヴィスが執筆。製作は「クライング・ゲーム」のエリザベス・カールセンと、「遠い声、静かな暮らし」はじめデイヴィスとコンビを組むオリヴィア・スチュワート、製作総指揮はヴァージン・レコードの共同創設者ニック・パウエルと、「マイケル・コリンズ」などニール・ジョーダン作品で知られるスティーヴン・ウーリー、撮影は「いつか晴れた日に」のマイケル・コルター。美術のクリストファー・ホッブス、編集のチャールズ・リーズ、衣裳のモニカ・ハウは、「遠い声、静かな暮らし」に続いての参加。音楽監督はロバート・ロックハートで、グレン・ミラーの『チャタヌガ・チューチュー』など、30~40年代の名曲が全編に流れる。出演は主人公の少年に、15歳はジェイコブ・ティアニー、10歳はドレイク・ビルが起用され、「ミルドレッド」のジーナ・ローランズ、「マイ・フレンド・フォーエバー」のダイアナ・スカーウィド、「サンドラ・ブロックの恋する泥棒」のデニス・レアリーらが顔をそろえる。 -
大地と自由
制作年: 199530年代のスペイン内戦で反ファシズムのために戦った青年たちの理想と幻滅を鮮烈に描きだす戦争ドラマ。監督は「ケス」「レディーバード・レディバード」のケン・ローチで、これまで一貫して英国の庶民生活に目を向けてきた彼の、初の大規模な海外製作にしてドラマチックな歴史物。製作はレベッカ・オブライエン、エグゼクティヴ・プロデューサーは「レディーバード・レディバード」のサリー・ヒビンとゲラルド・ヘレロ、「愛のめぐりあい」のウルリッヒ・フェルスベルク。脚本は「レイニング・ストーンズ」のジム・アレン。撮影は「リフ・ラフ」以降90年代のローチの全作品を手がけるバリー・アクロイド。音楽のジョージ・フェントン、美術のマーチン・ジョンソン、編集のジョナサン・モリスはいずれも「レディーバード・レディバード」にも参加したローチの常連スタッフ。出演は「バック・ビート」「ウェールズの山」のイアン・ハート、スペインの女優ロサナ・パストールほか。95年カンヌ国際映画祭批評家連盟賞、同年ヨーロッパ映画大賞、セザール賞最優秀外国語映画賞など多数受賞。 -
あこがれ美しく燃え
制作年: 1995新任の美人教師と密通し、彼女の夫とも不思議な友情を育みながら、性と将来への不安の中に生きる中学生の姿を描くロマンス。監督・脚本・編集は「みじかくも美しく燃え」(63)で60年代スウェーデン映画界の旗手となったボー・ヴィーテルベリ。86年の『岩盤の上の蛇の道』(日本未公開)以来約10年ぶりに手掛けた本作でベルリン映画祭銀熊賞を受賞したが、97年5月に他界し、これが遺作となった。製作は「ペレ」などのデンマークの名プロデューサー、ペア・ホルスト。音楽にはヘンデルのアリア『リナルドより わが泣くままに』などが使用されている。主演は監督の実息ユーハン・ヴィーテルベリ。共演は舞台出身の人気女優マーリカ・ラーゲンクランツ、「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」のトーマス・フォン・ブレムセンほか。 -
サブリナ
制作年: 1995オードリー・ヘップバーン主演、ビリー・ワイルダー監督の名作「麗しのサブリナ」(54)を現代的にアレンジして再映画化したロマンティックなラヴストーリー。監督は「ザ・ファーム 法律事務所」のシドニー・ポラックで、製作も同作のスコット・ルーディンとポラックの共同。サム・テイラーの戯曲を基にした前作の脚本をベースに、バーバラ・ベネデクと「ザ・ファーム」のデイヴィッド・レイフィールが脚色。ロングアイランドの町並みからパリの街頭までロケーションが効果的な撮影は、フェデリコ・フェリーニやルキノ・ヴィスコンティ監督らのコンビで知られる名匠ジュゼッペ・ロトゥンノ、音楽は「シンドラーのリスト」の巨匠ジョン・ウィリアムス(2)、美術はブライアン・モリスが担当。主演は「レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い」のジュリア・オーモンド、「今そこにある危機」のハリソン・フォード、NBCテレビの人気トーク番組のホストを務め、本作が初の映画出演となるグレッグ・キニア。「カイロの紫のバラ」のジョン・ウッド、「冷たい夜は死の匂い」のアンジー・ディッキンソン、「ランボー」シリーズのリチャード・クレンナ、「日曜日が待ち遠しい!」のファニー・アルダンらベテラン勢が脇を固めている。70点 -
クリムゾン・タイド
制作年: 1995米軍原子力潜水艦を舞台に、全面核戦争の危機を巡って対立する男たちのドラマを描いた、骨太のポリティカル・サスペンス。監督は「トゥルー・ロマンス」のトニー・スコット。「カラーズ 天使の消えた街」のマイケル・シーファーとリチャード・P・ヘンリックの原案を、シーファーが脚色。製作は「フラッシュダンス」「ビバリーヒルズ・コップ」などのヒットメーカー・コンビ、ドン・シンプソンとジェリー・ブラックハイマー。撮影は「クロウ 飛翔伝説」「蜘蛛女」のダリウス・ウォルスキー、音楽は「ライオン・キング」「勇気あるもの」のハンス・ジマー、美術はマイケル・ホワイト、SFXはドリーム・クエスト・イメージズが担当。主演は「フィラデルフィア」のデンゼル・ワシントンと「ワイアット・アープ」のジーン・ハックマン。「氷の微笑」のジョージ・ズンザ、「カリートの道」のヴィゴ・モーテンセン、「ア・フュー・グッドメン」のマット・クレイヴン、「ターミナル・ベロシティ」のジェームズ・ギャンドルフィーニらが脇を固める。また、「トゥルー・ロマンス」のクエンティン・タランティーノが脚本に参加し、ジェイソン・ロバーズがラストシーンに特別出演している(共にノー・クレジット)。72点 -
雲の中で散歩
制作年: 1995広大な葡萄園を舞台に、男女の情熱的な恋を描いたロマンティックなラヴストーリー。「スピード」「JM」でトップスターの座を掴んだキアヌ・リーヴス初の本格的な恋愛映画。42年製作の同名イタリア映画(日本未公開)のリメイクで、監督は「赤い薔薇ソースの伝説」で国際的にも高く評価され、本作が初のハリウッド映画となるメキシコ映画界の雄、アルフォンソ・アラウ。製作は「ゴースト ニューヨークの幻」のデイヴィッド&ジェリー・ザッカー、ギル・ネッターのトリオ。脚本は「リーサル・ウェポン3」のロバート・マーク・ケイメンとマーク・ミラー、ハーヴェイ・ウェイツマン。美しいカメラワークで幻想的な映像をものにした撮影は「赤い薔薇ソースの伝説」のエマニュエル・ルベスキ。音楽は「フィアレス」の巨匠モーリス・ジャール、美術は「ボビー・フィッシャーを探して」のデイヴィッド・グロープマン、編集は「幸福の条件」のドン・ジンマーマン、衣装は「めぐり逢えたら」のジュディ・L・ラスキン、ダンスシーンの振付は「コットンクラブ」のマイケル・スムインがそれぞれ担当。ヒロインには、本作でハリウッドに進出したスペインの女優アイタナ・サンチェス・ギヨンが扮し、「道」「リベンジ」のアンソニー・クイン、「イノセント」「ニューヨーク・ストーリー」のジャンカルロ・ジャンニーニの2大名優が脇を固めている。80点 -
ジェネレーションズ STAR TREK
制作年: 1995テレビ、映画の人気SFシリーズ「スター・トレック」の劇場公開版第7作。今回はテレビ「ザ・ネクスト・ジェネレーションズ」を基にした、旧「スター・トレック」の主人公たちの次の世代の人々の活躍を描く。監督はイギリス出身で、アメリカのテレビ・シリーズ版『エイリアン・ネイション』などで知られるデイヴィッド・カーソンで本作が劇場映画デビュー作。製作は「ザ・ネクスト・ジェネレーションズ」のリック・バーマン。エグゼクティヴ・プロデューサーはバーニー・ウィリアムズ、脚本はロナルド・D・ムーア、ブラノン・ブラガの共同。撮影は「チャイナタウン」のベテラン、ジョン・A・アロンゾ、音楽はデニス・マッカーシー、編集はピーター・E・バーガー、特殊メイクは「2010年」のマイケル・ウェストモアが担当。出演はロイヤル・シェイクスピア劇場に25年所属していた「L.A.ストーリー 恋が降る街」のパトリック・スチュワート、テレビ・シリーズ『ヒル・ストリート・ブルース』のジョナサン・フレークス、テレビのミニ・シリーズ「ルーツ」のレヴァー・バートン、「北斗の拳」のマルコム・マクドウェル。「天使にラブソングを…」のウーピー・ゴールドバーグがリスナーと呼ばれる謎の女性ガイナン役で特別出演するほか、旧シリーズのチェコフ役ウォルター・ケーニッグ、スコッティ役のジェームズ・ドゥーハン、そしてカーク提督役のウィリアム・シャトナーが顔を見せている。80点 -
デッドマン
制作年: 1995「ダウン・バイ・ロー」「ナイト・オン・ザ・プラネット」のジム・ジャームッシュ監督が独特のオフビートなタッチで描く、滑稽にして冷酷で、やがて幻想的に転じる西部劇調のロードムービー。製作はこの映画のためにジャームッシュが設立した12ゲージ・プロで、日本ビクターをはじめ米・日・独の出資をうけて、「ミステリー・トレイン」「ナイト・オン・ザ・プラネット」のディミートラ・J・マクブライドが製作。脚本はジャームッシュのオリジナル、撮影はヴィム・ヴェンダース作品で知られ、ジャームッシュとは「ダウン・バイ・ロー」「ミステリー・トレイン」で組んだ、「豚が飛ぶとき」のロビー・ミュラー。音楽は米国を代表するロック・アーティスト、ニール・ヤング。美術はボブ・ジンビッキ。編集はジャームッシュの常連で「豚が飛ぶとき」のジェイ・ラビノウィッツ。主演は「エド・ウッド」「ドン・ファン(1995)」のジョニー・デップ。共演は『Dark Wind』に出演、先住民運動家でもあるゲイリー・ファーマー、「欲望(1993)」「若草物語(1994)」のガブリエル・バーン、「スターゲイト」のミリ・アヴィタル、「クイック&デッド」のランス・ヘンリクセン、「ロブ・ロイ ロマンに生きた男」のジョン・ハート、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「女神たちの季節」のクリスピン・グローヴァー、「マーヴェリック」のアルフレッド・モリーナ、ロック・アーティストで「タンク・ガール」にも出演したイギー・ポップほか。特別出演で「狩人の夜」「エル・ドラド」などの名優ロバート・ミッチャムが顔を見せる。78点 -
9か月
制作年: 1995突然、恋人から妊娠を告げられてうろたえる青年が父親になるまでの9か月間の騒動を描いた、ハートウォーミングなラヴコメディ。スラップスティック調と家族の暖かさを綴る感動的な場面のさじ加減が見事。フランス映画『Neuf Mois』を、「ホーム・アローン」2部作や「ミセス・ダウト」のヒットメーカー、クリス・コロンバスの監督・脚本で翻案リメイク。製作はコロンバス、オリジナル版も手掛けたフランスのアンヌ・フランソワ、「ミセス・ダウト」のマーク・ラドクリフ、「迷子の大人たち」のマイケル・バーナサン。エグゼクティヴ・プロデューサーは「ターミナル・ベロシティ」のジョーン・ブラッドショウと、「ハイランダー」シリーズの俳優クリストファー・ランバート。撮影のドナルド・M・マッカルパインと美術のアンジェロ・グラハムは「ミセス・ダウト」に続いての参加。音楽は「クリムゾン・タイド」のハンス・ジマー。主演は本作がハリウッド初進出となる「モーリス」「フォー・ウェディング」のヒュー・グラントと、「逃亡者(1993)」「ショート・カッツ」のジュリアン・ムーア。共演は「トゥルーライズ」のトム・アーノルド、「コリーナ、コリーナ」のジョーン・キューザック、「ジュラシック・パーク」のジェフ・ゴールドブラムが脇を固めるほか、「ミセス・ダウト」のロビン・ウィリアムズがコメディリリーフで場面をさらう。 -
スリーサム
制作年: 1995恋と友情と同性愛が交錯する、3人の男女の危うい三角関係を描いた、いわゆるジェネレーションX世代の青春ラヴ・ストーリー。監督・脚本は「悪夢の惨劇」で商業映画デビュー後、ミュージック・ビデオの分野で活躍してきたアンドリュー・フレミング。製作は「ルディ 涙のウイニング・ラン」のブラッド・クレヴォイ。撮影は、「トレマーズ」のアレクサンダー・グルジンスキー。音楽は「コリーナ、コリーナ」のトーマス・ニューマンがスコアを書き、U2、ティアーズ・フォー・フィアーズ、ジェネラル・パブリック、ザ・ザ、ニュー・オーダーなどの挿入曲が効果的に使われている。主演は「赤ちゃんのおでかけ」のララ・フリン・ボイル、「ブロンドの標的」のスティーブン・ボールドウィン、「いまを生きる」のジョシュ・チャールズ。 -
キャスパー
制作年: 1995淋しがりやで人なつこいゴーストと、ある父娘の交流を描いた、ハートフルなファンタジー・コメディ。ジョー・オリアロとサイ・レイトが創造し、40~50年代にかけてコミックスとテレビアニメ・シリーズで好評を博したキャラクターを、CGを駆使して実写映画化。「ジュラシック・パーク」のデニス・ミュレン率いるILMが2年間を費やし、28兆バイツ(フロッピーディスクで1900万枚)のデータを入力、300 カット以上の実写とCGを合成した映像が驚異的(「ジュラシック・パーク」の恐竜のCG映像が全体で約6分半とするなら、本作のゴーストは約40分間にわたって登場)。実際の撮影に当たってはパペットやメカを使用せず、全てコンピュータ内部でキャラクターが作り上げられている。監督はテレビ界で活躍し、これが初の劇場用作品となる30歳の新鋭ブラッド・シルバーリング。製作はコリン・ウィルソン、エグゼクティヴ・プロデューサーはスティーヴン・スピルバーグ、ジェラルド・R・モーレン、ジェフリー・A・モンゴメリー。脚本はシェリー・ストナー、ディーナ・オリヴァー。撮影は「ジュラシック・パーク」のディーン・カンディ、音楽は「レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い」のジェームズ・ホーナー、美術はレスリー・ディリーが担当。主演は「アダムス・ファミリー」シリーズのクリスティナ・リッチと「めぐり逢えたら」のビル・プルマン。共演は「ソープディッシュ」のキャシー・モリアーティ、モンティ・パイソン一家で「ナンズ・オン・ザ・ラン 走れ!尼さん」のエリック・アイドルほか。70点 -
スモーク(1995)
制作年: 1995ニューヨーク、ブルックリンの街角の煙草屋に集う三人の男を巡るさまざまな物語を綴る、ユーモアと人情味あふれる人間ドラマ。香港出身の監督ウェイン・ワン(「ジョイ・ラック・クラブ」)と現代アメリカ文学を代表する小説家の一人ポール・オースターの協力から生まれた映画で、脚本はオースターの短編『オーギー・レーンのクリスマス・ストーリー』(邦訳は新潮文庫『スモーク&ブルー・イン・ザ・フェイス』に所収)をモチーフに彼自身が執筆。日本の配給会社ユーロスペースと海外向け映画企画開発会社で「ハワーズ・エンド」などに参加しているNDFの製作で、エクゼクティヴ・プロデューサーにミラマックス・フィルムズのボブ&ハーヴェイ・ウェインスタイン(「プレタポルテ」)とNDFの井関惺、製作はユーロスペースの堀越謙三(「コシュ・バ・コシュ/恋はロープウェイに乗って」)、黒岩久美、ピーター・ニューマン、グレッグ・ジョンソン。撮影は「真夜中のカーボーイ」でアカデミー撮影賞を受賞した「フレッシュ」のアダム・ホレンダー、音楽は「ジョイ・ラック・クラブ」のレイチェル・ポートマン、美術は『ネイキッド・イン・ニューヨーク』(V)のカリナ・イワノフ、編集は「ジョイ・ラック・クラブ」のメイジー・ホイ。出演は「ピアノ・レッスン」のハーヴェイ・カイテル、「最高の恋人」のウィリアム・ハート、新人ハロルド・ペリノー・ジュニア、「プレタポルテ」のフォレスト・ウィテカー、「私に近い6人の他人」のストッカード・チャニングほか。挿入曲はスタンダード・ナンバー『煙が目に染みる』のカバー・ヴァージョンとトム・ウェイツの『Downtown Train』『Innocent When You Dream』。95年ベルリン映画祭金獅子賞受賞。95年度キネマ旬報外国映画ベストテン第2位。2016年12月17日よりデジタルリマスター版が上映された(配給:アークエンタテインメント)。90点 -
ジャッジ・ドレッド(1995)
制作年: 1995未来社会の法の番人を務めるタフガイの苦悩と戦いを描いたSFアクション大作。ジョン・ワーグナー(作)とカルロス・エズキエラ(画)によるイギリスの同名人気コミックを基に、「ターミネーター2」のウィリアム・ウィッシャーと「ダイ・ハード」のスティーヴン・E・デ・スーザが脚色、監督には「プレイデッド」のダニー・キャノンが当たった。製作はチャールズ・M・リピンコットとボー・E・L・マークス。エグゼクティヴ・プロデューサーは「ダイ・ハード3」のアンドリュー・ヴァイナと「ストリートファイター(1994)」のエドワード・R・プレスマン。撮影は「1492 コロンブス」のエイドリアン・ビドル、音楽は「フォレスト・ガンプ 一期一会」のアラン・シルヴェストリ、プロダクション・デザインは「バットマン(1989)」のナイジェル・フェルプス、衣装に「エイリアン」のエマ・ポーテウス。特殊効果は「エイリアン2、3」のジョス・ウィリアムズ、視覚効果は「シュワルツェネッガー プレデター」「プレデター2」のジョエル・ハイネック、特殊メイクは「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のニック・ダッドマンが担当。主演は「スペシャリスト」のシルヴェスター・スタローン。共演は「ホッファ」のアーマンド・アサンテ、「チャーリー」のダイアン・レイン、「巨人と青年」のマックス・フォン・シドー、「沈黙の要塞」のジョアン・チェン、「デモリションマン」のロブ・シュナイダー、「マウス・オブ・マッドネス」のユルゲン・プロホノフ、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」のバルタザール・ゲティら。60点 -
あなたが寝てる間に…
制作年: 1995大都会で暮らす孤独なシングル・ウーマンが、運命のいたずらから真実の愛を掴むまでを描いたハートフルなラヴストーリー。偶然の積み重ねによる物語の妙と、ツボを抑えた演出が醸し出す笑いと感動が心に残る。監督は「クール・ランニング」のジョン・タートルトーブ。脚本は新鋭のダニエル・G・サリヴァンとフレデリック・リボー。製作は「エンジェルス」「アイ・ラブ・トラブル」などのヒットメーカー・コンビ、ジョー・ロスとロジャー・バーンバウム。エグゼクティヴ・プロデューサーはアーサー・サルキシアンと、「コーンヘッズ」などの監督でもあるスティーヴ・バロン。撮影は「クール・ランニング」のフェドン・パパマイケル、音楽は「マスク(1994)」のランディ・エデルマンが担当。主演は「スピード」で一躍トップスターとなったサンドラ・ブロックと、「めぐり逢えたら」「キャスパー」のビル・プルマン。共演は「未来は今」のピーター・ギャラガー、「ケイティ」のピーター・ボイル、「ギルティ 罪深き罪」のジャック・ウォーデンほか。80点 -
アウトブレイク
制作年: 1995すさまじい伝染力と死亡率を持つ未知の病原体の脅威と、それに立ち向かう人々の姿を描いたパニック・サスペンス。ベストセラー・ノンフィクション『ホット・ゾーン』(飛鳥新社刊)でも扱われたエボラ出血熱の事件をモチーフに、科学的根拠に基づくリアルでスリリングな恐怖が展開する。監督は「U・ボート」「ザ・シークレット・サービス」のウォルフガング・ペーターゼン。製作はペーターゼン、「逃亡者(1993)」「フォーリング・ダウン」のアーノルド・コペルソンとゲイル・カッツ。脚本はローレンス・ドゥウォレットとロバート・ロイ・プールの共同。撮影は「クイズ・ショウ」のミハエル・バルハウス、音楽は「ジュニア」のジェームズ・ニュートン・ハワード、美術はウィリアム・サンデル、編集はニール・トラヴィス、リンジー・クリングマン、ウィリアム・ホイ、SFXはボス・フィルム・スタジオ、衣装はエリカ・フィリップスがそれぞれ担当。。主演は「靴をなくした天使」のダスティン・ホフマンと「ザ・シークレット・サービス」のレネ・ルッソ。共演は「許されざる者(1992)」のモーガン・フリーマン、「ジャッジメント・ナイト」のキューバ・グッディング・ジュニア、「ディスクロージャー」のドナルド・サザーランド、「摩天楼を夢みて」のケヴィン・スペイシーほか。80点 -
コンゴ
制作年: 1995アフリカの奥地を目指して進む、ハイテクを装備した探検隊の冒険行を描いたエンターテインメント大作。「ジュラシック・パーク」「ディスクロージャー」の原作者、マイケル・クライトンの『失われた黄金都市』(80、ハヤカワ文庫・刊)を、「アラクノフォビア」「生きてこそ」のフランク・マーシャルの監督で映画化。製作は公私に渡り彼の良きパートナーたるキャスリーン・ケネディと、サム・マーサーの共同。脚本は「生きてこそ」「月の輝く夜に」のジョン・パトリック・シャンレイ。撮影は「バグジー」のアレン・ダヴュー、音楽は「氷の微笑」のジェリー・ゴールドスミス、美術は「リーサル・ウェポン」のJ・マイケル・リヴァ。特殊視覚効果のI.L.M.、クリーチャー・デザインのスタン・ウィンストンら、「ジュラシック・パーク」のSFXスタッフが結集。出演は「ノーバディーズ・フール」のディラン・ウォルシュ、「ボビー・フィッシャーを探して」のローラ・リニー、「ノー・エスケイプ」のアーニー・ハドソン、「シャドー」のティム・カリー、「未来は今」のブルース・キャンベルら地味ながら個性派揃い。70点